「神農(しんのう)さん」(11月22日~23日)へ行ってきました。
製薬会社が立ち並ぶ、大阪・道修町(どしょうまち)の少彦名(すくなひこな)神社の例大祭で、正式には「神農祭」。
毎年、笹に付けた張子の虎をもらいに行くのが習慣になっています。
張子の虎。
笹に付けられた赤い札には「祈願家内安全無病息災」の文字。
道修町。
地下鉄堺筋線、京阪本線の北浜駅から南へ少し歩いたところ。
普段はオフィス街ですが「神農さん」の2 日間は、くす玉飾りや「吉兆」など老舗の献灯提灯が掲げられ、たくさんの露店が出てにぎわいます。
すごい人出。神社に参るには行列しなければなりません(右側)。
くす玉飾りに吊り下げられているのは薬の箱。ここは、江戸時代から続く薬の街。
ビルに挟まれた少彦名神社の参道。
日本医薬の祖神・少彦名命(すくなひこなのみこと)と中国医薬の祖神・神農炎帝(しんのうえんてい)がご祭神。安永9年(1780年)、薬種商の団体が建立したのが、神社の起源とされています。
張子の虎(神虎)の由来。
参道脇にある、道修町を舞台にした谷崎純一郎の小説「春琴抄」の碑。
ようやく拝殿へ。狭い境内は人でいっぱい。
拝殿では、小刀を手にした巫女さんの舞がありました。
初めて見る舞。珍しいですね~
拝殿に参拝者が2人座っていたので、何かの御祈祷かもしれません。
張子の虎の授与所。
張子の虎やお札を付けた神虎笹(2500円)。購入すると頭上で鈴を鳴らしてもらえます。
願い事を書いた絵馬。
医大、薬大の合格祈願や、「国家試験に通りますように」と書かれたものが多かったですね。また、ペットの健康を祈ったものも…
通りに軒をつらねる露店。
昔の面影をしのばせる小城製薬の建物。
生薬など天然素材を扱う会社のようです。
歩いていると、「杏雨書屋(きょううしょおく)」なる建物が目につきました。
武田薬品からの寄付をもとに創設された武田科学振興財団の図書資料館。
医学・薬学関係の展示があったので入ってみました。
「杏雨」とは、「杏林(医学)を潤す雨」の意味だそうです。
展示室は撮影不可なので写真を載せられませんが、実に興味深い資料が並んでいました。
漢方材料に使われた「犀角(さいかく=サイのツノ)」「一角(イッカクというクジラの長い牙)」、丸薬の製造道具、手術道具、漢方の医学書、医家の肖像画、そして有名な「ターヘル・アナトミア」「解体新書」などなど…
「皇帝が見た博物図鑑」という特別展示では、中国の明、清時代に皇帝の命令で作られた漢方材料の図鑑「本草品彙精要(ほんぞうひんいせいよう)」が展示されていました。
極彩色の美しい書物で、大変珍しいものだそうです。(杏雨書屋所蔵、展示品は写本)
杏雨書屋は古医書の蔵書で国内有数とか。いやいや、すごいものが道修町にはありますね。いいお勉強でした…
田辺三菱製薬の資料館も神農祭で特別開館。こちらは残念ながら、開館時間が過ぎていて入れず。(通常は要予約)
突然、ゆるキャラのパレードが… 「あっ、ジンタンや!」
「正露丸」と握手する人たち。
「神農さま」と「テクノくん」。
「奈良のくすり」をPR。
色々なものを見られたので、そろそろ帰ることに。
北浜のシンボル、大阪取引所(旧大阪証券取引所)と五代友厚の銅像。
五代さん、NHKの「あさが来た」で見てますよ。
一服するため立ち寄った「北浜レトロ」。
店内のシャンデリア。
おしゃれな英国風のこのカフェ、いつ来ても満員。
ちょっと待たされました。
紅茶とサンドイッチのセットを注文。
私の紅茶は「大大阪クラシック」(ダージリン、アッサム)、連れは「中之島アフタヌーン」(インド、スリランカ)。
「五代友厚の時代は大大阪だったよな~ 今はそうでもないけど。」と考えながら…
-------------------------------------------------------------------------------------
撮影カメラ ソニーRX100