つれづれ写真ノート

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富士「X-Pro2」あれこれ

2016年01月22日 | カメラ

「X-Pro2」タッチ&トライ

富士フイルムが1月15日に発表した、ミラーレス一眼カメラ「FUJIFILM X-Pro2」(2月18日発売)。

富士フイルムフォトサロン大阪で触ってきました。

 

FUJIFILM X-Pro2」。

レンズはXF35mm F1.4 R が付いていました。

 

2012年2月に発売されたフラッグシップ「 X-Pro 1 」の後継機で、4年ぶりのモデルチェンジ。

レンジファインダー式フィルムカメラを思わせる外観は踏襲。

個人的に、このカメラに魅力を感じるのは、外観のデザインが大きいです。ちょっと懐古趣味的ですが…

 

手に取ると、「X-Pro 1 」 と同じように重厚。防塵防滴になったこともあってか、がっしりしたボディ。寸法は以下のように「X-Pro 1 」より1mm程度大きくなり、重さは45g増。

X-Pro2 
 本体寸法(幅)140.5mm ×(高さ) 82.8mm ×(奥行き) 45.9mm(奥行き最薄部34.8mm) 
 重さ 約495g (付属バッテリー、メモリーカード含む) 

X-Pro1
 本体寸法(幅)139.5mm×(高さ)81.8mm×(奥行き)42.5mm (奥行き最薄部 34.1mm)
 重さ 約450g(付属バッテリー、メモリーカード含む)

 

この大きさ重さが微妙なところ。「もう少し小さく、軽くしてくれたら良かったのに」という思いも。フォトサロンの人によると、光学ファインダーを搭載するとどうしてもボディーが大きくなるとか。

 

ファインダーについて

光学ファインダー(OVF)は一眼レフと同じように、現実の世界を(レンズ越しに)そのまま見ているため、クリアで動きも自然なのが特長。一方、電子ビューファインダー(EVF)はイメージセンサーによるデジタル映像ながら、露出やホワイトバランスなどを反映した「実際に写る映像」。

この両方の長所を生かし、切り替えて使えるのが「X-Pro 1 」でした。「X-Pro2」は、それをさらに進化させた「アドバンストハイブリッドマルチビューファインダー」を搭載。OVFで見ている時でも、右下隅に小型EVFを表示することができます(写真は富士フイルムのニュースリリースより)。

光学ファインダー(OVF)で見ている状態。右下にEVFの小窓を表示。

 

EVFの小窓は、背面のコマンドダイヤルを押しこむたびに、視野率100%、2.5倍拡大、6倍拡大の3通りで表示されます。6倍拡大にするとピントが合っているかどうかも分かります。マニュアルフォーカスで撮る時に便利。

ふと気づいたのは、この右下の位置というのは、レンジファインダー式の場合、レンズの先端が見えるあたりです。視野がケラれる、この無駄な部分をEVF表示に活用できないか、と富士フイルムのエンジニアは考えたのではないでしょうか…

小窓を表示すると、ちょうどレンズの先端が隠れます。

実際には、小窓はかなり小さいので見づらいですが、慣れれればいけるかな、という感じ。

 

ファインダー表示切り替えは、ボディー前面のレバーで操作。

ファインダー切り替えレバー(富士フイルム製品ページより)。

 

切替レバーを右に引くたびに、EVF、OVFが切り替わります。

OVF選択時にレバーを左に押せば、EVF小窓付きOVFに。

何度もやっているうちに指が痛くなってきました。そもそも、ファインダーは、そう頻繁に切り替えるものではないですが。

 

ここで、もうひとつのフラッグシップ機「X-T1」と比較してみると、ファインダー倍率の違いから、視野全体としては「X-T1」の方が大きく見えます。

ただし、EVF表示のスピードは「X-Pro2」のほうが速い。パッパッと表示されるのは「X-Pro2」。これに対して「X-T1」の表示はやや“モッタリ”した感じがします。

X-Pro2」では、『ファインダーの表示速度を最速85fpsに向上させ、動体撮影時の残像現象を極限まで低減。レリーズ後のブラックアウト時間も、約150ms に短縮している』(富士フイルム)とのこと。

 

遅まきながら、視度補正ダイヤルも付きました。たいていのカメラには付いているもので、「 X-Pro 1 」になかったのはおかしいくらいでしたが…

 

フォーカス

AF測距点は77点(最大273点)と多くなり、全画面の約40%(画面中央部49点)がスピーディな像面位相差エリアに。

 

背面の液晶モニタ右横に、フォーカスレバーが付きました。

スティック操作で、縦・横・斜めの8方向にフォーカスエリアを瞬時に移動することができます。これは便利です。

 

ISOダイヤル

ボディー上面。

シャッターダイヤルに、ISOダイヤルが組み込まれています。

シャッターダイヤルの外周部を持ち上げて回す、往年のフィルムカメラを思わせる方式。

 

「ここまで、懐古趣味にこだわるか…」というのが正直な印象。

ISO(昔はASA)感度の選択肢が少なかったフィルムと違って、今はいくらでもISO感度を変えられる時代。この方式では頻繁にISOを変えにくいのでは…

意見が分かれると思います。

まあ、ISOオートにすることもできるので、それでいいじゃないかと言われればそうですが…

 

画質は…

Xシリーズでは最高の画素数、2430万画素APS-Cセンサー「X-Trans CMOS III」を搭載。画素数が増えたのに、高感度域が拡大しています。ISO12800まで標準感度。

撮影データの持ち帰り不可でしたので、液晶モニタを見る限りですが、きれいな描写に見えました。

係の人の話では、販売される頃には、いまネットにアップされている試作機の実写画像よりだいぶ良くなるということでした。

 

発表当日の富士フイルムの説明会によると(価格.comマガジンなど参照)、画質・ノイズ性能とも「X-Pro2」は「X-T1」を上回り、3600万画素のフルサイズ機(ニコンD810 ?)と互角の性能を持つとアピールしていたそうです。

「ホンマかいな?」と思いますが、こればかりは実際に使って、画像をパソコンで見てみないとわかりません。

販売開始後、いずれレンタルの対象になるでしょう。借りて試して見たいと思います。超微粒子白黒フィルム「ACROS」の新フィルムシミュレーションなども見てみたい…

 

さて、価格は実売19万円前後とか。プレミアムカメラとはいえ、お高いですね~

 

Xシリーズに賭ける富士フイルム

2011年に発売された「X100」以来、富士フイルムのXシリーズは5周年を迎えました。

「違いの分かる男のナントカ…」という古いCMではありませんけど、そんな感じの“プレミアム感”を前面に出した戦略が大ヒット。販売実績も上々の様子。

 

写真家・田中希美男氏のツイッターに、富士フイルムの力の入れ方が分かる、次のようなエピソードがありました。

『富士フイルムがXシリーズ5周年にあわせ大々的な発表会を六本木・東京ミッドタウンのカンファレンスホールで開催しました。X-Pro1の後継モデルや新型ストロボなど5機種(コンパクトカメラを加えれば6機種)。海外から多くの招待客も来ていて、プレゼンはすべて英語で長時間でした。』

『富士フイルムの新製品発表会は、タッチアンドトライや特別写真展が別会場で用意されていて、さらに午後8時ごろからはザ・リッツ・カールトン東京ホテルでドレスコードありのカクテルパーティーが開催されます。こんな大がかりな発表会はめったにはないことです。』

 

えらく大々的な発表会だったようです。

とくに、海外でXシリーズを使う写真家「X-Photographers」を厚遇している感じ。

photographyblog という海外サイトに、最近「X-Pro2」で撮った東京風景がたくさんアップされているのですが、これを撮ったフォトグラファーも、この発表会の招待客だったかもしれません。

Fujifilm X-Pro2 Sample Images

Final Cut: The Fujifilm X-Pro2 in Tokyo

 

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撮影カメラ     ソニーRX100

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関連記事・サイト

 ・X-Pro2 スペシャルサイト

 ・富士フイルム ニュースリリース

 ・『富士フイルムの高性能ミラーレス「FUJIFILM X-Pro2」詳細レポート!』(価格.comマガジン)

 ・『富士フイルム新製品発表イベントレポート 』(デジカメWatch)

 ・『Xシリーズ旗艦モデル「FUJIFILM X-Pro2」 』(デジカメWatch)

 ・『レンジファインダースタイルのミラーレス「FUJIFILM X-Pro2」発表』(ITmediaデジカメプラス)