キヤノンが27日、社長兼COO(最高執行責任者)に、主力のデジタルカメラ部門を統括してきた真栄田雅也専務(63)が昇格する人事を発表しました。
御手洗冨士夫会長兼社長兼CEO(最高経営責任者)(80)は会長兼CEOを続けるとのこと。
人事はいずれも3月30日付。
社長交代を発表したキヤノン(「CP+ 2015」会場のブースで)。
カメラ会社の人事を気にするのは、カメラを趣味として純粋に楽しむ上で、あまりよくないこと。
自分が経験してきた会社人事と重ねたりてしまいますしね…
ただ、ユーザーとしては、どうしても関心があるところです。
事務機など他部門の割合も大きい同社の中で、カメラ開発に取り組んできた真栄田氏が社長になるというニュースに、「ほう、これはよかったなァ」というのが率直な感想。
雑誌のインタビューにもしばしば登場、新製品についてわりとフランクに語るお馴染みの人でしたし、「これでキヤノンのカメラは安泰」と信じたいですね。
開発費は削らないでしょうし、今まで通り次々新製品が出てくるのでは。
ただ、社長という立場上、冷静に考えてみると、そう単純ではない面も…
デジタルカメラ市場は、世界的にキヤノンがシェアトップを維持しているとはいえ、厳しい環境。とくに中国市場の落ち込みが大きいようです。
これからキヤノンに必要なのは、成長が見込める新規事業。
監視カメラなどネットワークカメラの世界最大手、スウェーデンのアクシスを買収したのもそのひとつ。
東芝が売却を決めた医療機器子会社「東芝メディカルシステムズ」の買収にも乗り出すそうです。
そうなると真栄田新社長も、一般向けのデジタルカメラだけに力を入れるわけにはいかないでしょう。
それにカリスマ・御手洗氏の考え方。
一時社長の座を譲ったものの、経団連会長を務めたあと、また社長に復帰した御手洗氏。真栄田新社長の業績次第ではどう動くか分からない所がありますから。
ユーザーとしては、魅力のあるカメラ、レンズを(できれば安く)発売、サポートもしっかりしてくれれば、それで良いことなんですが…
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