大阪・阪急うめだ本店9 階、阪急うめだギャラリーで、「ライカの世界 ~ハービー・山口写真展 と ライカ100 年の歩み~」(8月26日~8月31日)が開催。初日に行ってきました(入場無料)。
「ライカの世界 ~ハービー・山口写真展 と ライカ100 年の歩み~」。
看板は「Michelle 」(1988年 ©Herbie Yamaguchi )。
阪急うめだ本店10 階「うめだスーク」に9月1日、大阪では2店目の「ライカストア」がオープンするのを記念したイベント。
ライカを愛用している写真家、ハービー・山口氏が自選した約50点の作品を、「街角の天使たち」「Europe」「Heroes」の3章に分けて展示しています。
イベントのパンフレット。紹介されている2作品は左から「夏、一瞬の風 」(2004年)、「SRに乗った二人」(2001年)=©Herbie Yamaguchi 。
会場の中は撮影不可でしたので、写真を紹介出来ないのが残念。
ハービー・山口氏が10年間住んでいたロンドンでの写真が多いです。故ダイアナ妃やミュージシャン、一般の人たちのポートレート。日本では東日本大震災の被災地での写真もありました。
カラーはわずかで、ほとんどがモノクロフィルム写真。黒と白の豊かな諧調の中に浮かび上がる人間賛歌。
いいですねェ、見たあとで、ほっこりした人間の「優しさ」のようなものが心に残りました。
作品的には、写真展の看板にもなっている「Michelle 」が秀逸。ロンドンのクラブでの撮影ですが、まるで映画の1シーンのよう。
上のパンフレット左上の写真「夏、一瞬の風 」も有名な作品。素足で川を渡る女子高生に風が吹き抜ける瞬間をスナップしたもの。今、そこで実際の彼女たちに会っているような、ナマの青春の実感、すがすがしさを感じさせ、個人的にとても好きな写真です。
ところで、モノクロの作品には例外なく細い黒縁が付いています。
フイルムに画像が写る範囲より大き目にプリントしているため、周囲の枠、場合によってはパーフォレーション(フィルム巻き上げに使う穴)の一部まで黒縁として出ています。これは、トリミングを全くしていないという証拠。
絶対にトリミングしない、最初から完璧な構図で撮るのだというポリシーを示しているわけですね。
トリミングをする、しないはプロの世界でも色々だとはいえ、少なくとも写真家として一つの矜持ではあります。
イージーにトリミングしまくりの私などは、恥ずかしい限り…
「ジョン・ライドン」(1983年)という、記者会見中のミュージシャンを撮った作品には、コンタクトシート(フイルムの原寸プリント)も添えて展示されていました。
36コマのうち、同じシーンは3枚程度まで。あとは横顔、正面、上から、下から、逆光、半逆光、アップ、ロング… 。実に色々なアングルから撮っているのが分かります。動き回って撮っているんですね。
しかもそれぞれが計算された構図で、「使えそう」な写真ばかり。
ウ~ン、さすがに凄い。
というわけで、著書を買ってみました。
「雲の上はいつも青空」(ハービー・山口著、玄光社、2,300円)。
生まれて3カ月で患った腰椎カリエスを乗り越え、イギリスで写真家として自信をつけたこと、ハービーという名前の由来など、自伝的な要素をまじえたフォトエッセイ集。
素直で人間的な味わいが行間にあふれ、なかなか良い読み物です。
会場では、名作シリーズ「LONDON」「Wetzlar」のスライドショー、「ライカの魅力」と題したビデオ上映、書籍の販売も。
写真集を買ったお客さんには、ハービー・山口氏自身がサイン。ついでに写真展にまつわる話などをしていました。(8月30日には、ハービー・山口氏のトークショー、サイン会もあります)
別のコーナーには、日本カメラ博物館が所蔵する歴代のライカを展示。現行機の販売もあり、最新機種を触ってきましたが、それについては長くなりすぎるので次回に。
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撮影カメラ ソニーRX100
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