つれづれ写真ノート

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「さかい利晶の杜」オープン

2015年03月24日 | イベント

大阪・堺市の新しい観光スポット「さかい利晶(りしょう)の杜(もり)」が3月20日にオープンしました。

「利晶の杜」とは、堺生まれの千利休と与謝野晶子をテーマとする文化の杜、という意味。

 

さかい利晶の杜」

 

ガラス張りの建物の1階に「千利休茶の湯館」、「茶の湯体験施設」、「観光案内展示室」。2階に「与謝野晶子記念館」があります。

隣接の飲食施設としては、和食レストランの「梅の花」と「スターバックス コーヒー」。

また近くに千利休の屋敷跡があり、井戸などが残っています。

 

旧市立堺病院跡に建設。堺市の文化・歴史を発信する観光拠点にしようと、飲食施設、大型バスの駐車場も含め一体的に整備されました。南海本線堺駅からバスで3~5分、「宿院」という市の中心部にあります。

オープンの日に行ってきました。

 

中に入ってすぐの吹き抜けホールが観光案内展示室。床には旧堺の地図、奥には戦前の堺の街並みを再現したジオラマ。土産品なども売っています。

 

昭和12年(1937年)ごろの堺・宿院の様子を再現したジオラマ。右側は、堺市と大阪市を結ぶ路面電車「阪堺電車」の線路。左側は当時の商家の間取りが分かるように屋根が取り払われています。

 

懐かしさ、詩情を感じさせる風景。

 

路面電車って、良いですね~ 

阪堺電車は今も残っています。

 

これがホントの「ジオラマ風写真」。

 

さて、「千利休茶の湯館」へ。

ここからは有料ゾーン(一般300円、高校生200円、小中学生100円)。

オランダ船「リーフデ号」の模型がありました。

説明パネルには『1600年に豊後(現在の大分県)に来航し、当時大阪城にいた徳川家康の命令で堺へ回航。』と書かれています。

 

江戸時代、オランダとの貿易・交流の発端になった船。

 

おなじみの千利休像(長谷川等伯筆)。ただしこれは複製で、原本は表千家に所蔵されています。

 

天正18年(1590年)、利休69歳のころの茶会料理を再現。

「串鮑(くしあわび)」「鮒(ふな)の膾(なます)」「ミソヤキ汁」「飯」の一汁二菜。お菓子として「麩(ふ)の焼(やき)」「シイタケ」。

とても簡素な献立。味はどうだったんでしょう…

 

堺の歴史・文化を紹介する「利晶の杜シアター」。

 

環濠をめぐらした都市・堺。その環濠遺跡から出土した、茶道具と思われる中国製の陶磁器など。

堺は当時海外との交易で、珍しい文物も入ってきたところ。茶の湯の、ある意味での(文化的)ぜいたくさは、こういう環境でこそ育まれたのかもしれません。

 

さかい利晶の杜」の外。道路を隔てたところにある千利休の屋敷跡。

観光ボランティアの説明によると、以前はこの奥に茶室があったそうです。

 

井戸のほかは、空き地のようになっていましたが、このたび「さかい利晶の杜」と同時に整備され、つくばいも設けられました。

 

立派な石碑もできました。

 

再び「さかい利晶の杜」について。

利休が作ったとされる茶室で唯一現存する「待庵(たいあん)」(国宝・京都府大山崎町、妙喜庵)の説明。「さかい利晶の杜」には、この茶室の創建当初の姿が復元されています。

中に入って、わび茶の真髄、2畳の茶室空間を体感できます。予約制(予約申し込みのページ参照)で、オープン初日は残念ながら見ることができませんでした。

 

このほか、茶の湯体験施設での立礼茶席(予約不要)や本格的な茶室(団体・予約制)が用意されています。

初日は記念茶会が開かれ、それらしい和服のご婦人を大勢見かけました。

せっかくの施設ですから、展示を見るだけでなく茶の湯も体験したほうが値打ちがありそう…

 

次は、階段を上がって2階の「与謝野晶子記念館」へ。

「与謝野晶子記念館」。

JR堺市駅前にあった与謝野晶子文芸館を引き継いだもので、晶子自筆の和歌や書籍、家具などを所蔵。

 

晶子が執筆していた書斎の再現。

子だくさんでしたから、執筆している間にも子どもが寄ってきたりしたでしょうね。

そうして作った歌が生涯に3万首! 

 

晶子の自筆原稿「賀歌十首」(複製)。

 

 

晶子愛用の着物と化粧台。

 

有名な歌集「みだれ髪」の初版本。

 

鉄幹を追いかけてパリへ行った時の紀行文集「巴里より」(複製)。

 

歌集「常夏」(複製)。

本の装丁がアールヌーボー調で、見ているだけでも楽しい。

 

源氏物語や自作短歌を朗読する晶子の肉声がヘッドホンで聞けます。また、孫を抱いた様子の8ミリフィルムも見られます。

 

孫を抱く晶子。8ミリフィルムの一場面。

 

見た感じは、何のこともない普通のオバサン。でも残した文学作品はすごい。

 

12人も子どもを産んで…  パワーもすごい。

 

初公開された、晶子愛用の茶杓。

 

和菓子商を営んでいた実家・駿河屋を再現。

    海恋し潮の遠鳴りかぞへては
   少女(おとめ)となりし父母(ちちはは)の家

晶子のとてもいい歌。この歌の舞台となった家ですね。

 

実家・駿河屋の内部。

 

うす暗くて、しっとり落ち着いた、昔の商家のたたずまい。

 

最後に1階の観光案内展示室に戻り、土産物を探しました。

お菓子や線香など堺の名産が並んでいます。

 

驚いたのはこれ。伽羅(きゃら)のお香と南部鉄器お香立てセット。

356セット限定で、50,000円(税抜)!

いったい、どんな人が買うんでしょう…

 

このほか、隣接の和食レストラン「梅の花」を内覧出来ました。とても雰囲気がよかったのですが、その写真は次回に…

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撮影カメラ     ソニーRX100

 



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