つれづれ写真ノート

   カメラと写真 そして世の中の色々なこと---

ソニー「フルサイズNEX」考

2013年08月09日 | カメラ

重くなる?

ソニーのミラーレスカメラ、NEXシリーズ(APS-Cセンサー)がフルサイズセンサーを搭載するのではないかという話は、同シリーズが発売されたころからありましたが、それがそろそろ本当になりそうだという、もっぱらの噂になっています。

『フルサイズNEX(最終的な名称はまだ分からない)は、ソニーNEX-7と似たデザインになるが、NEX-7よりも15%大きくなり、20%重くなる』という記事が。( Sony Alpha Rumors / デジカメinfo )。

 

あまり歓迎できないニュース(噂)です。

フルサイズのNEXというのは、「あの大きさ、重さでフルサイズになったらいいな~」というファンの願望から出てきていると思うのですが、それがデカいフルサイズNEXになるのなら話は違う、という感じがします。

同じソニーのRX100のトークショーを聞きに行ったことがあって、そのとき開発者の話が聞けました。最初のモックアップができて「お、これいいじゃない。この大きさで頑張ろう」となったそうです。RX100は、カメラの小ささと液晶の明るさありき、で開発がすすめられたとのこと。最初のモックアップから大きさは全く変えずに進めたそうですが、今の売れ行きを見ると、それが正解だったようです。

フルサイズNEXもできればNEX-7の大きさ、重さを死守してほしいものですが…

 

ソニーNEX-7。

発売時からボディーのコンパクトさに比べて、マウント(Eマウント)が大きいのが話題に。中のAPS-Cセンサーが小さく見えます。将来フルサイズセンサーを入れるのに備えた布石では、と言われてきました。

 

素人目にもフルサイズセンサーがぎりぎり入りそうです。

ただ、マウント内の電子接点が動かせないでしょうから、簡単ではなさそう。

 

マウント口径について 

フルサイズ化にあたっては、マウント口径の寸法はどうか、そもそも、フルサイズセンサーが入るのか、ということについて巷では話題に。

海外サイトの中には、NEXのマウントの写真にフルサイズセンサーを入れた合成画像を載せて「フルサイズセンサーが入る!」と言っているのもありました。

 

しかし、調べてみるとあいまいなまま噂話が飛び交っている状態。

ネットでは「ソニーEマウントの口径は58.9mm」という話が良く出てきます。

Wikipediaに、『ソニーEマウント - 2010年に発表。口径58.9mm、フランジバック18mm。』とあり、ここから出たのかもしれません。

ところが、同じWikipediaの記述で他のカメラを見てみると、

・キヤノンEFマウント - 口径54mm、フランジバック44mm
・ニコンFマウント - 口径44mm、フランジバック46.5mm
・ソニーAマウント - 口径50.0mm、フランジバック44.5mm
・ペンタックスKマウント - 口径約45mm、フランジバック45.46mm

となっていて、Eマウントの口径58.9mmはこの中で最大なのです。

変な話ですね。すでにフルサイズに対応しているキヤノンEFマウント、ニコンFマウント、ソニーAマウントより口径が大きいのなら、フルサイズセンサーが入るかどうかなどという議論になるはずがありません。

となるとEマウントの口径58.9mmは、内径ではなくて外径なのではないか、という疑問がわきます。

 

先日、量販店で試しに測ってみたところ、やはり外径が58mm前後(いいかげんな測り方ですが)。内径(マウント座金の内側にある爪を除いた寸法)は44mmぐらいでした。

Wikipediaの『 ニコンFマウント- 口径44mm』が内径だとすると、ニコンとほぼ同じということになります。

 

ニコンD800。ニコンFマウントはソニーEマウントとほぼ同じ内径?

 

専門家のブログでも「ソニーEマウントの内径は58.9mm」という記述がみられますが、明らかな間違い。これぐらいの基本的な数字ぐらいきちんとしてほしいものです。

 

カメラメーカーが公式に数字を出していないのかもしれません。

一番良く知っているのはシグマやタムロンなどのレンズメーカーだったりして…

 

すでにフルサイズ化!?

実は、(だましみたいですが)ソニーEマウントにフルサイズセンサーはキッチリ収まっていました。

ソニーのレンズ交換式ハンディカムVG900がそれ(写真はフリー画像)。

ソニー レンズ交換式HD ハンディカムVG900(ボディー) NEX-VG900

 VG900。スチールカメラではありませんが、Eマウントでフルサイズ。

うまく電子接点のところを避けて、センサーがぎりぎり収まっています。

フルサイズNEXもこんな風になるのでしょう。センサー収納についてはもう解決済みのようですね。

 

レンズという関門

 VG900はアダプターを介してフルサイズのAマウントレンズを使うことが出来ます。ただしEマウントレンズを使うとAPS-Cサイズになってしまいます。

ここらがまだダメな点。つまり軽量のEマウントレンズでフルサイズを撮れるレンズがないのです。

現在のEマウントレンズはすべてAPS-Cサイズのセンサーに合うように設計されています。

なので、このレンズをフルサイズNEXで使うと、イメージサークルが足りないために周辺が黒い「土管の中から眺めた」ような映像になるでしょう。

 

Sony Alpha Rumors では、

『確実なことは、このカメラが2本のツァイスのフルサイズ用レンズ(ズームと単焦点)と共に発表されるということだ。単焦点レンズは35mm F2.8だ。フルサイズNEXは9月24日に発表され、発売は10月の終わりだと言われている。』

と書いていて、フルサイズNEX用のEマウントレンズは新たに作られることを示しています。

 

つまり、ソニーがフルサイズNEXを世に出そうとすれば、カメラ本体だけではなく、「フルサイズNEX用レンズ」を整えていかなければならない訳です。

 

現在のEマウントレンズすら少ないといわれている中で、新たに「フルサイズEマウントレンズ」をソニーが潤沢に用意できるのかどうか…

 

センサーの収納以上に気になるところです。

 

ソニーの戦略、大丈夫でしょうか…



最新の画像もっと見る

コメントを投稿