8月23日、ニコンのフルサイズミラーレス「Z7」「Z6」が発表されました。(報道発表ページ)(特設ページ)
ニコンのフルサイズミラーレス「Z7」(左)と「Z6」(右)=ニコンのプレスリリースより。
◆新マウントの採用
新たなZシリーズ。カメラの性能を云々するより前に重要なのは、大口径の新マウント「 Z マウントシステム」を採用したこと。
この新マウント採用で、ニコンによると、
『レンズ設計の自由度が格段に上がり、光学性能の驚異的な向上を実現。ニコン史上最高の開放F値0.95の極めて明るいレンズなど、多彩な高性能レンズを今後提供していきます。』
とのこと。
Z マウントレンズとしては当初は次の3本ですが…
NIKKOR Z 24-70mm f/4 S
NIKKOR Z 35mm f/1.8 S
NIKKOR Z 50mm f/1.8 S
早くも今後のレンズ・ロードマップが発表され、次々明るめのレンズが増えていく模様。
ニコンファンにとっては、大きな楽しみが増えたと言えるかもしれません。
すでに新レンズを使った人のレポートも出ており、そのなかで「35mm f/1.8 S」の描写が素晴らしいという声がありました。(『35mmの単焦点、恐るべし…』GIZMODO)
ニコンの作例を見ても、滑らかで、落ち着いた雰囲気を出せそうなレンズです。玉ボケに輪郭はあるものの”素直なボケ”という感じで。
良いンズかもね~
F値を1.4でなく、少し暗めの1.8に抑えたのは、ミラーレスのコンパクトさを優先したためでしょう。
開発発表された「NIKKOR Z 58mm f/0.95 S Noct」は、すごいインパクトがありましたが、AFが効かないマニュアルフォーカスなので、一般には向かないのでは。(おそらくツァイスOtus のように、ピントの合う面はカミソリのように薄く、少しでも外すとボケるはず)。
狙いは、ニコン最高級のレンズとして、海外メーカーや海外ユーザーに、ニコンの技術を“見せつける”戦略なのでは。価格も相当高価になりそう。
◆XQDカード 1スロットは疑問
新マウントの採用は、ニコンの将来性を感じさせるものですが、Zシリーズのカメラについては「?」と首をかしげさせるスペックもあります。
個人的に一番問題なのは、メモリーカードがXQDカードだけ、という点。
XQDは、読み書きは速いらしいですが(使ったことがない…)、あまり一般的とはいえないし、高い!
「ニコンファンミーティング2018」が9月1日から、東京、大阪、名古屋など全国7都市で開催され、ミラーレス「Zシリーズ」はイベントの目玉。「Z7」を実際に使う撮影体験コーナーも用意され、データ持ち帰りもできるのですが、そのためにはXQDカードを持っていかなければなりません。
個人的な事情を言えば、XQDカードは持っていないし、実写データをパソコンに取り込むためのXQDカードリーダーもありません。思い切ってそれらを買ったとしても、ニコンやソニーユーザーでない限り、イベントのあと、使い道がありません。
「Zシリーズ」を試したい気はあるのに、XQDカードというのが大きなネック。
なぜ、D850 のようにXQDとSDカードのダブルスロットにしてくれなかったのでしょうね。
同じように感じている人も多いのでは…
プロの人はXQDカード採用はともかく、1スロットしかないことにガッカリしているようです。
日本で活動している人気写真家の Ilko Allexandroff さんは自身の動画で『プロが使うようなカメラなのに、メモリースロットが一つしかない。残念。』と、3回ぐらい繰り返しています。(NIKON Z7 & Z6!公式発表されたよ!すごいね!ニコンのカメラのスペック、Sonyとの比較など!ただ、カードスロット一つしかないなんて!Sony安心できたかな~【イルコ・スタイル#220】 )
もうひとつの「?」は、瞳AFが搭載されていないこと。「顔認識」ができるなら、できそうなのに。
さらにいえば、電池の持ちも良くありませんね~
撮影可能コマ数は、ファインダーのみ使用時:約330コマ、画像モニターのみ使用時:約400コマとなっています。
ミラーレスは電池をよく食うにしても…
一眼レフのD850なら「約1840コマ」でした。
とはいえ、ネガティブなことばかり言ってもしょうがありません。
魅力的な機能も満載。D850よりはるかに多いAFポイント(「Z7」は493点)、ファインダーを覗いたまま拡大表示してピントの確認がOKになりました。フォーカスシフト撮影後ピント範囲を確認できる[ピーキングスタック画像]も新搭載。動画でも4K UHDに加え階調豊かなニコン独自の「N-Log」採用など…
間違いなく、ニコンの高い技術をベースに、造り込まれた高級機ではあります。
40数万円(Z7)はチト高いですけど…
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