今年10月に、カメラメーカー各社の新しいカメラやレンズがドッと発表されましたが、その中で、ニコンの大口径単焦点レンズ「 AF-S NIKKOR 58mm F1.4G 」(10月 31日発売)が混じっていました。なんでも旧ノクト・ニッコール(AI Noct Nikkor 58mm F1.2)の再来とかの噂。非常に高性能なレンズらしいとのことで気になっていました。
どんなにすごいレンズなのか、先日「Df」を見るためニコンプラザ大阪へ行ったとき、ついでに試してきました。
D800Eに付けたAF-S NIKKOR 58mm F1.4G 。
ゴージャスな組み合わせですね。
(価格.com の最安値でも)ボディーとレンズで約42万円!。
もちろんナノクリ。
レンズ自体は割に軽いので、D800Eに付けても、さほど重さを感じません。
スナップでも使えそう(それがこのレンズの本来の使い方かどうかは別にして…)。
でもやはり大口径。でかいレンズです。
データ持ち帰りOKでしたので、ディスプレーの花を撮ってみたのが下の写真。(RAW+JPEGで撮影、Adobe Lightroomで現像。画像補正しないままJPEG出力しています)
絞り優先AE(F1.4、1/250秒) ISO400 ホワイトバランス:オート
絞り優先AE(F1.4、1/400秒) ISO400 ホワイトバランス:オート
絞り優先AE(F1.4、1/320秒) ISO400 ホワイトバランス:オート
落ち着いた描写で、点光源ボケは輪郭の目立たない「素直なボケ」。
映画のような、いい雰囲気の写真が撮れそうな感じがしました。
いずれも絞り開放で試し撮りしています。気になる点をいえば周縁部の口径食(点光源が円でなくラグビーボール型になる)ですが、これは大口径レンズとしてはしかたのないことなのでしょう。それと、色収差が多少残っている印象を受けました。
設計担当は佐藤治夫氏(映像カンパニー 開発本部 第二設計部 第二設計課 主幹)。よく雑誌にも登場する方です。レンズ性能といえばとかくMTFにだけ注目が行きがちな今の傾向に疑問を投げかけ、三次元的な被写体の奥行きを表現できるレンズを目指しているようです。
このレンズもカリカリの解像度だけを追求したのではなく、なめらかな描写。それに加えて、夜景や星空で光の点を点として写せる鮮鋭感が特徴です(かつて夜景向きのノクト・ニッコールというレンズが実現した以上に、サジタルコマフレアを可能な限りなくした、とのこと)。
こういうレンズなので、評価には夜景・星景、それとポートレートの前・後ボケの作例が必須ですね。
クリスマスの街の風景などを撮った作例を見てみたいです。
今の時点で探した作例は次の通りです。
◇「 AF-S NIKKOR 58mm F1.4G 」の作例
・SAM OBEIDE 「Nikon AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G Sample Images」(カナダのウェディングフォトグラファー)
・PHOTOYODOBASHI SHOOTING REPORT (ヨドバシカメラ)
・「More Nikon 58mm f/1.4G sample images, few comparisons with the Noct 58mm f/1.2」 (Nikon Rumors ノクト・ニッコールとの比較)
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ザ・ワークス Vol.53 AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G (ニコンの開発担当者・佐藤治夫氏インタビュー)
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オーラが違う新生ノクト――ニコン「AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G」(IT media デジカメプラス)
ニッコール千夜一夜物語「~非球面によってサジタルコマフレアを補正した~
第十六夜 AI Noct Nikkor 58mm F1.2
」
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