【背景】MICS-CABGとPCIとのハイブリッド治療が可能になれば、循環器内科のCABGへの敷居が低くなり、より患者の冠動脈病変に適した治療が選択されるようになると考えられる。
【目的】当施設におけるPCIとMICS-CABGのハイブリッド治療(HCR)の現状分析。
【対象・方法】当施設で2017年10月からMICS-CABGを導入し、2023年2月までに単独冠動脈バイパス術123例のうち、53例(46%)でMICSアプローチを採用した。そのうち、PCIとのハイブリッド治療を行なったHCR11症例(男性8例、平均年齢67.7歳)。
【結果】HCRは平均在院日数12.5日と、HCR以外のMICS15.1日よりも有意に短く(p=0.018)、在院死亡、合併症はなかった。7例がPCI先行。全症例でLITA-LADの再建を含んでおり、2枝以上の多枝再建は2例、平均の再建枝数は1.3本でMICS-CABG全体の再建枝数2.1本よりも有意に少なかった(p=0.03)。HCRの適応とした理由として、PC治療後にLADに残存するCTO病変に対するPCI不成功症例が2例、PCI可能だが病変としてCABGが適当と判断された症例が2例であった。LADのCTO症例で最初からCABG適応とされた症例が6例。緊急のRedo症例で、PCIと同時にCABGを行なった症例が1例であった。IABP設置は緊急の1例(10%)のみで、HCR以外の29%(12/43)よりも少ない傾向(有意差なし)にあった。
【考察】PCIとMICS-CABGのHCRとすることで最低侵襲でCABGが行なわれ、術後在院日数の短縮に寄与している。
【結語】MICS-CABGとのHCR導入により最低侵襲の完全血行再建が可能となる。
【目的】当施設におけるPCIとMICS-CABGのハイブリッド治療(HCR)の現状分析。
【対象・方法】当施設で2017年10月からMICS-CABGを導入し、2023年2月までに単独冠動脈バイパス術123例のうち、53例(46%)でMICSアプローチを採用した。そのうち、PCIとのハイブリッド治療を行なったHCR11症例(男性8例、平均年齢67.7歳)。
【結果】HCRは平均在院日数12.5日と、HCR以外のMICS15.1日よりも有意に短く(p=0.018)、在院死亡、合併症はなかった。7例がPCI先行。全症例でLITA-LADの再建を含んでおり、2枝以上の多枝再建は2例、平均の再建枝数は1.3本でMICS-CABG全体の再建枝数2.1本よりも有意に少なかった(p=0.03)。HCRの適応とした理由として、PC治療後にLADに残存するCTO病変に対するPCI不成功症例が2例、PCI可能だが病変としてCABGが適当と判断された症例が2例であった。LADのCTO症例で最初からCABG適応とされた症例が6例。緊急のRedo症例で、PCIと同時にCABGを行なった症例が1例であった。IABP設置は緊急の1例(10%)のみで、HCR以外の29%(12/43)よりも少ない傾向(有意差なし)にあった。
【考察】PCIとMICS-CABGのHCRとすることで最低侵襲でCABGが行なわれ、術後在院日数の短縮に寄与している。
【結語】MICS-CABGとのHCR導入により最低侵襲の完全血行再建が可能となる。
If hybrid treatment of MICS-CABG and PCI becomes available, the threshold for CABG in cardiology will be lowered and patients will be able to choose a more appropriate treatment for their coronary artery lesions. In our hospital, the MICS approach has been used in 53 (46%) of 123 CABG procedures since 2017. While the postoperative hospital stay has been reduced compared to conventional CABG, hybrid treatment with PCI can further significantly reduce the postoperative hospital stay.
第123回 日本外科学会総会 サージカルフォーラムで発表した内容です。