横須賀総合医療センター心臓血管外科

お気軽にコメントいただければ、一般の方の質問にも心臓血管外科専門医が答えます。

血管外科学会総会 In 大分 2024 大動脈解離の断端形成

2024-06-04 01:46:05 | 心臓病の治療
 血管外科学会総会のため大分に行ってきました。今回は急性大動脈解離の断端形成のシンポジウムに始まり、この断端形成の話が多かったです。ニッチなテーマにちょっと疲れたという意見もありましたが、他施設の工夫を勉強する貴重な機会となりました。それでいて、自施設のやり方が間違っていないとの確信も得ることが出来ました。
 急性大動脈解離の断端形成に関して、多くの施設でバイオグルーをいまだ使用しており、その中で数%に仮性瘤が発生しているようですが、それでいいと思っている施設と、当グループのように仮性瘤を一例でも作りたくないことから使用を辞めている施設もあり、千差万別ですが、おおむね6割以上の施設でいまだにバイオグルーを使用しているようでした。
 また当グループでは内外二重にフェルトを巻いて断端形成しており、これによって組織のカッティングによる出血、新たなエントリー形成を予防しておりますが、内側のフェルトを使用していない施設も少なくないようでした。おそらく手技が上手な外科医が執刀すると内膜のカッティングなどで新たなエントリーを作ることはないのかもしれませんが、初心者でもそうした心配のない内外二重の補強が最強と思われました。
 当施設ではこの内外二重の断端形成を新しいPTFE織布のニットパッチを使用して行っており、これによって従来の不織布のフェルトに比較して針孔出血が少なく止血効果としては高まり、また内側のニットパッチは従来のフェルトに比較して薄いため内腔に突出して狭窄したり溶血をおこすことがないというのもメリットです。今後普及していくものと思われます。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする