グッドぐんま 2

ぐんま大好き! 群馬のちょっとイイものや身近な自然を再発見

となりのツキノワグマ

2010年09月27日 20時06分47秒 | 
新聞報道などをみていると、今年はツキノワグマの出没が全国的に多くなっているようです。
なぜ、奥山の生き物であるツキノワグマが里山や里に出没してくるのか?
秋の主要な餌であるどんぐり類の不作、奥山・里山の変化、放置果樹などの誘因要因、等々が言われていますが、はっきりとしたことは未だよくわかっていません。多分様々な要因が組み合わさった結果なんでしょう。
そもそも、個体群管理の基礎となる生息数さえよく分かっていません。

平成16年に公表された第6回自然環境保全基礎調査の結果では、20年前と比べて、生息区画数は1.2倍に増えています。生息区画巣がそのまま生息数を反映するものではありませんが、ツキノワグマの生息域が拡大しているのは確かです。多分、東日本では個体数も増えているのだと思います。ただし、中国地方、四国地方の個体群は孤立化しており絶滅の渦の中にあります。

先日、面白い本を買ったので紹介します。
となりのツキノワグマ 宮崎学 新樹社


野生動物写真家の宮崎学氏の写真集。
この本には、すごい数のツキノワグマとその痕跡が載っています。しかもその写真が撮られたのは人のいない山奥ではなく、人里近く。まさに題名どおりです。
夏には多くの人が通る遊歩道、車がびゅんびゅんと行き交う高速道路のすぐ横、マスの養殖場など人の身近な場所に出没したクマ、そして民家のすぐ横の木にあるクマ棚。どれも私にとってはショッキングな写真です。

日本の人口は今後も減り続けます。特に中山間地域での人口減少は顕著でしょう。
ツキノワグマとヒトとの新しい関係を早く構築しないと大変なことになるかもしれない・・・。この本を読んで一番強く思ったことです。


ツキノワグマ事件簿 宮崎学