テレビ中継の 風の盆 を観た。
34~5年前に句会の仲間と越中富山まで、この風の盆に訪れた事を思い出しながら観た。
そのころ、宿を予約するのに困難を極めた事も思い出した。
私は元気だった。
昼間の八尾は花街の面影の残る町で、家々の前を流れる溝川の涼しい音が聞こえる甃の美しい町だった。
三方に山が迫り、山に月がかかる頃、踊が始まった。
宿で夕食をとっていると、庭に踊子が来てくれた。
家々の軒に吊る雪洞の明かりだけの町並みはうす暗い。
その中を地方の音楽にのって踊り子達が静かに来る。
女性は編み笠を被り、指の先まで神経を張り詰めた優雅な踊りを舞う。
@ 踊らんと顔を包めばうつくしき 後藤夜半
(この踊り子は中学生)
男性は腰を少し落とし、静かに片足を長く伸ばし、手を先を深く上、下に折り舞い進む。
踊り子には年齢制限があり、25歳くらいまで踊り子として参加ができるそうな。
恋人同士のような踊リ子が月を観ながら絡む(?)演出。
息をのむような美しい二人。
衣装も青色で裾に雲がわく模様。女盛りの粋な姿だけれど、25歳?なの。
35年前は真に豊饒の秋の神事に近い盆の祭をしみじみと味わったような、、、
凝った演出も無く、狭い通りを行く踊り子をま近に見、三味と笛と胡弓の調べに酔い満足をした。
今は、阿波踊りと同様にショー化をし、そして凄まじい人の波、波で、今の私はこの見物の混雑にまぎれて見物をするには耐えられぬだろうなと思いつ、テレビにかじりつき 風の盆を楽しんだ。
踊が果て、胡弓を鳴らしながら家路に戻って行く、甃を歩く足音が、旅寝の枕元に届く。
踊も、さりながら風の盆の想い出は、枕で聴いた胡弓と秋の風の音。
と、哀愁をおびた越中おわら節の唄。
おわら節の節まわしは難しい。
「 恋の礫か窓打つ霰 開けりゃ身にしむ オワラ 夜半の月 」
艶っぽい歌詞に哀感も交じる、雪国の炬燵で雪見酒でも飲みながらね~。
なぜだか眠れぬ夜。
布団を出てブログを書く、乱れたリズムの日々。
行ける時には行く!35年前の元気が欲しい。
明日も平穏でありますように❕