栗林公園の睡蓮を見に行く。
期待どおりに咲いていた。
橋をはさんだ蓮はもう花殻になっていた。
睡蓮を上手に、私の感じた景を詠んでいる先人の句を探しあてて記した。
これも勉強か。
🎊 睡蓮の一花一花の真昼かな 上村占魚
今年の炎夏に疲れた、おとなしい色の花ばかり。
が、水に映った花影は踊っているような。
いつもは橙色の花が咲いているのに、、、私の記憶違い?
🎊 睡蓮に鰭立ちすすむはぐれ鯉 桂 樟蹊子
固まって咲いている睡蓮が盛り上がりながら左右に揺れる。
目を凝らすと黒い影。葉と葉の間から黒い鯉が泳いでいるのが見える。
。
🎊 一ならび睡蓮の葉の吹かれ立つ 星野立子
彼女の句は、みんな好ましい。
台所だけじゃない。自然を女性の感性で詠む。
仰々しいところは一切ない。それが好きだ。
🎊 わが立てば池はモネの睡蓮となる 山口青邨
蓮畑を潤わし、石橋を潜り流れ、やがて鴨が来る大きな池に通じる小河。
松の枝が垂れ下がり景を落とす。萩も片岸に沿って植えられている。
🎊 睡蓮の隙間の水は雨の文 富安風生
風生さんは花と花が間を開けて咲く水の面の美しさに興じている。
どのような模様が文なされたのだろう。
🎊 睡蓮のよき隔たりの花の数 清崎敏郎
風生さんの愛弟子が敏郎さん。
私を俳句に導いて下さった師が、風生さんが次官だった時の秘書で敏郎さんとは句仲間だったと、昔話をよく聞かされた。
今日はこんな事を想い出し、亡き師を偲んだ。
久しぶりに歳時記をじっくりと読んだ。
💌 蜻蛉のつるむ景落つ水面かな
💌 睡蓮や熱をおびゐる石の橋
💌 松手入れ老人パスで入る公園