老人雑記

生活の中で気づいた浮世の事

椅子

2023-09-11 16:05:55 | 老人日記

     

長年、、26~7年の間、連れ添ってきた椅子。

魔力を持っている椅子で、これに坐るとお尻から根が生え、背中から接着剤が出てきて、椅子から立ち上がれなくなる。

今年の夏は、この椅子で朝から晩までテレビにかぶりつき、うつらうつらと微睡んでいた。
コロナで外に出られぬ日のこの椅子の重宝さ。

昔、半年間近く原因不明の背筋の痛みが続いた。
医院でも病名も付かずひたすらこの椅子で寝ていた。
レントゲンを撮るにも、真直ぐに寝られない痛み。勿論、病院の梯子をやったが、原因は解らずじまい。

歩くのは普通に。
痛みで背をベッドにつけられないのだ。
季節は夏。
この椅子を倒して、半年間寝た。
よく頑張れたものだ。

ハナちゃんが生きていた時は午后9時がくると、ハナちゃんに明け渡す。
ハナちゃんに、冬は低温の電気毛布を敷き寝床を整える。そんな想い出も。

昨日は電気工事をし、ベランダのかたずけ。
今日は昨日の働きすぎが祟って、昼食も取らず、椅子の魔力と闘いもしないで仲よくしている。なにもやる気なしの半病人をかこっている。

雨まぢりの涼しい風が、北窓を打つ。
狭い部屋には少し大きすぎる椅子だけれど、愛着があり、大切な大切な椅子だ。


     💺    秋風や罅のはしれる皮の椅子

     💺      露草の花びら雨粒より小し

     💺    秋の雷下校児かたまり跔みこむ 
                
道草をくっていた子ども、突然の雨と雷に驚いた。  

コメント
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