📑 よしこのや潮入り川は燈をつらね
昨晩は久しぶりに 斎藤梅子氏の句集をひもといた。
徳島生まれの俳人。
昭和61年第10回「現代俳句女流賞」受賞
「徳島県出版文化賞」受賞と昭和61年は華々しい活躍。
この後も他の追従をしり目に活躍を続けた。
📑 春愁や木偶人形につちふまず
📑 役者絵のすなはち寄り目いなびかり
取り合わせの妙、
📑 おもしろの鬼の世にゐて霞かな
📑 滴りの胸中にして櫂の音
📑 まなじりを音なく舟や枯世界
📑 大灘に日矢いくたびも鍬始
この句ら、、
異質の世界を面目躍如、自家薬籠中の句として詠み尽くしている。
おもしろの鬼の世などと、氏の心の内の自在はいかに、、、、
📑 射干や草屋といへど武家構へ
📑 今年竹鱗粉の散る空のあり
めずらしく素直に、あるがままの大きな景を詠みこなして、私のような凡人にも解りやすい。
今年竹が育つ時、竹の周りに白い粉が吹く。
見落としてしまう粉を一句に、、物にするって梅子氏の俳句に対峙する姿勢に頭が下がる。
📑 花火船この川を藍運ばれし
📑 川風の荒び出したる衣紋竹
徳島市を流れる新町川畔に住んでゐる梅子氏。
一物仕立てでありながら深い想像を産む。
川風と衣紋だけの取り合わせが見事と思う句も。
📑 山腹に家並ありけり桃の花
📑 渋団扇讃州は山低く展べ
📑 池多きくにに入りけり枯芙蓉(善通寺)
さてさて、梅子氏の句集を読んで、少しだけ俳句心が沸々と胸の底に甦った、、、とは言いすぎか。
俳句って素晴らしいな。
🐞 大西日避け窓に吊る観葉樹