老人雑記

生活の中で気づいた浮世の事

雲見草 (樗の花)

2022-05-21 14:06:50 | 日々是好日
         

     🌲     あのあたり見つつををらん雲見草    重頼

楝の花の異名雲見草と言うらしい。
歳時記の最初にあったから掲げてみた。

散歩道に、古くなり、そのままにされ引っ越して行った病院の裏庭に咲いていた楝の花。

     🌲     花樗屋根と同じに暗くなる    中村草田男

廃病院は暗い。
悲喜こもごもの患者の声が聞えそうである。

         

決して嫌いな花ではない。
大きく枝を張り涼しい風に梢が揺れるさまを見ていると、想い出は沢山ある花だ。

       🌲    花樗霧吹く如き盛りかな     西村和子


    

     🌳    物干し竿樗の枝に渡しをり
     🌳    楝の花椅子を並べて島の老
     🌳    おうちの花逆縁の子を偲び泣く
     🌳    花樗の梢白雲飛びをりぬ

楝の花に俳句心を刺激されたらしい。
全く困った者だな、昨日の私は。

     

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懐かしい花

2022-05-20 20:46:17 | 日々是好日
          

素朴な花。
懐かしい。
子供の頃はどこの家の庭にでも咲いていた。
昨今はガーデニング流行だが、めったに葵を咲かせているのはのは見ぬ。
雑然とした昔ながらの庭や菜園の隅に咲いている。
私はしばし、立ちどまって懐かしむ。

名前は銭葵。
花の大きさが一文銭と同じくらいであったことから、名付けられたとされている。

            

    ❁    三方に蝶の分かれし立葵     中村汀女

ベランダに蝶がきた。
蝶に高い、低いの意識はあるのだろうか?
しばらく、私の眼の前を行ったり来たりしていたが、見る間に下界へ去って行った。


            🐣     燕つばめ泥が好きなるつばめかな  細見綾子

最近、この句をふ~っと思った。
ツバメ が三回も出て来る。
浮きたつような心の動きが見える。
そして自分も歳?かなと思ったりする。
以前はこの句を読みながしていた。
どこが良いの?なぞと。。。。

    👘     現し世を日々大切に更衣     星野立子

立子の句もしかり。
私が素直に自分の一生を顧みようとすると、鬼籍に入った大俳人の句が浮かんでくるのだ。


     ⛄    すつてんと転むで笑うふ寒さかな   樫本つた女

大、大先輩の俳人である。
田舎の結社で活躍し、静かに市井にうずもれ生涯を全うした。

印象が残っていて、寒い日は句会で出たこの句を昨日のように想いだす。


     ⛄     新聞につまづき転ぶ寒さかな     葉

足腰が弱り新聞紙に躓いて泣きたいような、すぐに立ち上がれぬ自分に驚いた。
つた女さんの二番煎じだが、、、、

今日はおたっしゃクラブに行った。
二階に上がるのに、階段の手摺を持たなくても上がれた。
嬉しかった。本当に嬉しかった。










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花びら

2022-05-16 00:02:31 | 日々是好日


あまりにも綺麗だったから写真を撮った。

ベランダの花の手入れ。
前日は雨が続いたから水遣りも控えていた。

ゼラニウムの花殻を摘んでいたら花びらが、下に置いてある白い花(マツバギク)に散った。
桜の花びらが散ったようで、なんとまあ、綺麗だこと。

一瞬だ。

散った花は一時間もすれば帚で掃いてベランダのお掃除をするが、こんな事に喜びを見出す自分に気づき、これも年のせいかなどと思う。

                  

花屋でバラの苗を売っていた。

バラは私のようなにわか花作りの物は、ベランダではとても世話ができない。

せめて薔薇園めぐりで辛抱をしようと写真だけ撮った。


    🌴     コロナだけにあらぬ愁や紅薔薇
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暇つぶし

2022-05-14 11:40:22 | 日々是好日
          

コロナで家で鬱々していてもと、最近は、なるように成ると(おたっしゃクラブ)や(ミュージック体操)に行く。

どちらも私のような老人ばかり。
家で籠もっていても退屈、、、と出かけて来ているのだろう、お達者の老人ばかり。

体操の合間に指導者に水分補給を促される。

皆さんを観察していると、さすがお達者な方ばかりで、お手製のペットボトルのカバーにお茶を入れて来ている。

       

私は市販の魔法瓶?に薄い番茶を用意して持ってきたいたが、このボトル重たいのだ。

それで皆さんの観察から、昨日はボトルカバーを縫った。
残りの久留米絣の端切れで作った。
軽くて良い。


     

前日は押し入れの隅で見つけた布でブラウスを縫った。

     

四月に縫った白いブラウスと同じ型。
大き目のサイズで着やすかった。
その型紙を利用。半袖を縫った。

双方とも体操に着ようと思っていたが、、、体操はメンシャツに限ると気付く。

せっせと、着なければ。
黴が生えるくらい襤褸っちい服がいっぱい。

バックもポシェトともブローチも、どれも作るのが好きで、片っ端から欲しい人にあげる。それで満足。
が、洋服はサイズが合わぬと駄目だし好みもあって溜まるばかり。

俳句はダメ。老の日々を託つのは手芸のみ残った。それと面白い時代小説を読む事くらい。


     ☔     猫の写真眺め卯の花腐しかな

     ☂     卯の花腐し欠けた鼻の道祖神

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うどん屋

2022-05-11 22:09:29 | 日々是好日


最近、リニューアルオープンをした観光客が良く訪れるうどん屋へ。

「四国村」なる四国の民家を集めた野外博物館の一角にある。
少し石段をのぼれば「讃岐東照宮」もあり、さぬき観光の目玉の場所にある。

屋島山頂へはバスも、車で行けば10分くらい。
いつも観光客で賑わっている。

新しくなったうどん屋は、以前の建物に手を加えて、昔を知っている者にとっては、なぜかよそよそしい感が。全体に綺麗になりすぎて。(文句言うな)        


                   
                        

阿波のチベットと言われる奥祖谷の大きな古民家を移築したうどん屋だ。
屋根を藁で拭いていて、建物の中は天井が高く、太い梁の建物は、なかなか風情がある。

      🌲     藁屋根の梁薫風吹きぬける

       

昨日、頼んだうどんは大きなおひつに湯を溜めたうどん。
これは二人前。
熱々のとっくりにうどん出汁を入れて出てくる。
いりこの出汁で、日によって味が薄かったり濃いかったりする。
いつも食べている私たち夫婦にしか、微妙な事は分かるまい。

午后、客が途絶えた頃に行くので、出汁が煮詰まって濃いのだろう、、、と想像はしている。

歩いて10分くらい。
散歩の途中にある。
我が家の環境をつらつら思うに楽しい場所に住んでいる (*^。^*)

昨日は息子と。
「うどんは別腹」と言いながら、美味しくいただいた。


    🗻     たかがうどんされどうどんや半夏生

    🐠     父の味しのばる泥鰌饂飩かな

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