🌲 あのあたり見つつををらん雲見草 重頼
楝の花の異名雲見草と言うらしい。
歳時記の最初にあったから掲げてみた。
散歩道に、古くなり、そのままにされ引っ越して行った病院の裏庭に咲いていた楝の花。
🌲 花樗屋根と同じに暗くなる 中村草田男
廃病院は暗い。
悲喜こもごもの患者の声が聞えそうである。
決して嫌いな花ではない。
大きく枝を張り涼しい風に梢が揺れるさまを見ていると、想い出は沢山ある花だ。
🌲 花樗霧吹く如き盛りかな 西村和子
🌳 物干し竿樗の枝に渡しをり
🌳 楝の花椅子を並べて島の老
🌳 おうちの花逆縁の子を偲び泣く
🌳 花樗の梢白雲飛びをりぬ
楝の花に俳句心を刺激されたらしい。
全く困った者だな、昨日の私は。