「大阪水曜ほっと集談会」公式ブログ

3月19日(水)14時~・3月18日(火)20時~(ZOOM)にてリモート集談会を開催します

境遇に従順なる母の人生!

2023年06月01日 03時00分00秒 | コラム 



大阪水曜ほっと集談会一世です。

今日から6月ですが、雨になると母と弟と3人で傘をさして歩いていた幼い頃の光景を思い出すことがあります。

身内のことで恐縮ですが、両親から人が生きるということはどういうことかを学んでいる私です。

先日82歳になる母が、ニコニコ笑顔で帰ってきました。

ひ孫の参観日に行ってきたというのです。

コロナが落ち着いたので、娘が母を招待してくれたのです。

貧乏子だくさんを絵にかいたような田舎の7人兄弟の長女が、母に与えられた運命でした。

家計を助けるために中学を終え15歳の時、集団就職で親元を離れての過酷な生活が始まります。

何度か高校に行きたかったという話を聴いたことがあります。

更に小さな兄弟の学費を援助するために早い結婚とパート勤務の日々。

おまけに結婚相手が大酒飲みの私の親父でした。(笑)

更に運命は過酷さを極めます。

7人兄弟の内3人との死別です。

究極は母にとっては最愛の次男(私の弟)の病による突然死です。

母の人生は森田博士の「自然に服従し境遇に従順なれ」そのものです。

そのような苦労も知らず貧乏人のボンボン育ちで長男の私は学生時代読書恐怖の苦しみから、不平、不満ばかり言っておりました。

このような偏った人間が、神経質症で苦しんだのも当然と言えば当然であったと思います。

母が学費を援助した叔父が後に大学院を修了し教員になり、私に森田療法とNPO法人「生活の発見会」のことを教えてくれたのです。

その叔父も12年前に60代で他界しました。

もうすぐ当時の叔父の年齢に近づく私は複雑な気持ちです。

今から思いますと母によって私には森田療法との出会いが人生のプログラムに組み込まれていたとしか思えないのです。

その母も若い頃、原因不明のめまいと疲れから自律神経の不調と診断され臥せっていた時期がありました。

その時期は突然、死の恐怖を感じた10歳の少年の頃の私とも重なります。

当時の母の不安が幼い神経質な私の心に投影されていたのかもしれません。

貧乏や病に苦しみ逆縁に泣き叫びながら果敢に生きてきた母は神経質の典型です。

人は、「普通に生きるだけでもすばらしい」と還暦になるまでわからなかったバカ息子の一世です。



2023.6.1 一世

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