Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

ダンディー爺さんを目指して 日々を生き抜く
ダンジーブログ

おや!

2006-07-08 | 想い・雑感
 前項を投稿して気がつきましたが、ブログをはじめて200項目でした。これが201項目。まだまだ先のことと思っていたので意外でした。

 ざっと振り返って見ると、のほほんと毎日を過ごしつつも、いろいろなことを書いているものですね。この短い期間に書いたものなのに、忘れているような内容も在るのだから面白いですね。確かに日記という意味合いがあります。

 最初の思いの「健康をキーワードとして…」というのから少しずれてきているような気もしますが、まあ良しとしてください。

 楽しみつつ合計1年は続けてみますので、訪れてくださる方々、よろしくお願いします。

今を生きる

2006-07-08 | 医療・病気・いのち
 胃癌の発生数自体はそれほど減少していないそうだが、胃癌で亡くなる方の数は全体とすれば減少傾向だ。これは、早期に見つかり治療が行われるケースが増えたことが一つの要因と考えられる。しかし、今でも手術ができないくらい進行した状態で来られる方も少なからずいる。

 体がだるいし、体重も減ってきたとのことで開業医を訪れたAさん。内視鏡検査で胃癌を見つけられ紹介されてこられた。お腹を触ると上腹部に大きく張り出した肝臓を硬く触れる。念のためエコーを当てると、肝臓に多数の腫瘤を認めた。多発性の肝転移である。

 10年前なら、余命数ヶ月と考えていただろうが、現在ではそれを延長できることが多くなってきた。胃癌化学療法の進歩である。

 Aさんには状況の説明をある程度行い(はじめて会った途端にいきなりすべては伝えられないのでぼんやりと、しかしことは重大であることを伝える)、その日からTS1という抗がん剤内服を開始した。数日後入院の上追加検査を行うとともにシスプラチンの点滴を行った。

 抗がん剤治療すべてにいえることだが、効かない人にはまったく効かないが、効く人には驚くほどの効果が出る。中には治療を始めて数日で体調がどんどん良くなる人もいる。Aさんの場合はそこまではいかないが、1クールの治療が終わるころには、硬く触れた肝臓が少し柔らかくなり、食欲も改善してきた。もう1クール治療を行ったうえで効果判定を行うが、期待できる。

 ただ、注意していただきたいのは何が期待できるかである。消化器癌の場合、抗がん剤治療で治癒することはまずない。言ってみれば延命治療である。そこを勘違いせずに体調が改善している間に、「今」を大切にし、明日に備えていく必要がある。

 これって、がん患者に限らず、我々すべての人間に言えることなのだろうが。