Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

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ダンジーブログ

術後せん妄

2006-07-28 | 医療・病気・いのち
 高齢者に対して全身麻酔を必要とするような手術を行うことも随分多くなってきた。以前は70歳を超えると手術を行うリスクをかなり感じたが、現在では80代の方の手術も稀では無くなってきた。

 そうはいっても高齢になるとやはり体の予備能力が少なくなっているので、合併症を起こしやすくなる。その中の一つに術後せん妄がある。簡単に言えば、訳が分からなくなってしまうのである。

 自分がどこにいるのか、今日がいつなのか分からない。
 点滴などの管を引き抜く。
 攻撃的になる。
 などの変化が出てきてしまう。

 多くは術後2~3日して出現し、数日から2週間程度で元通りになる。

 入院という環境の変化、手術を受けるという精神的重圧、手術に伴う体への負担、麻酔薬や鎮痛薬などの薬物の使用、術後の痛みや体のきつさなど多くの変化が頭にも負担をかけてしまうためだと思われる。

 術後せん妄自体は基本的に一過性のものだが、まれに認知症へと移行してしまうことがある。こうなると家族は手術をしなければと思ってしまうが、手術前に予想はつかない。