Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

ダンディー爺さんを目指して 日々を生き抜く
ダンジーブログ

若年女性の緩和ケア

2007-05-12 | 想い・雑感
20代から30代の女性は
結婚から出産を経験する可能性の高い年代
つまり
女性として
妻として
幼子の母として
そして自分も子供として
生きている可能性が高い年代

だからといって
悪性腫瘍にならないわけではなく
病を得て亡くなる方も少なくない
回りの両親 兄弟 配偶者 子供などもつらいが
本人はさらに多くの苦しみや悲しみを背負って旅立つことになる

外科では乳がんの頻度が高く
胃癌の方もおられる

かける言葉もない
ただ少しでも肉体的苦しみを取り除くことに勤める

緩和ケアの分野で
肉体的苦痛を取り除く方法は
体系化されつつあるが
心のケアは取り組むことが難しい
いかに生きるか そして 如何に死に行くか
という命題に正面から取り組むことが難しいのだから

特にこのような年代の場合
本人も周りの人も
まさか死が身近に迫る年齢とは得心がいかないわけで
皆がおろおろしてしまう
現実を見つめることは
きわめて困難となる

医療スタッフだけでなく
この分野に関わる人が広く求められているように思う

術後に起こりうること

2007-05-12 | 医療・病気・いのち
癌に対する手術を行う場合
癌を完全に取りきるために
がん細胞が散っていそうなリンパ節を含め
ある程度広い範囲を切除することになる

一方 体の機能を可能な限り温存するために
必要以上には切除しないように気をつけるわけだが
目に見えない細胞レベルのことまで考えると
少し広めに切除することとなる

臓器や組織を取り除けば
そのための欠落症状が出る

手術を受ける際には
取ってしまうとどのようなことが起こる可能性が高いかを
理解しておく必要がある

例えば直腸癌の場合
癌が肛門のすぐ近くにあれば
肛門ごと直腸を切除し人工肛門を造る必要が出てくるので
人工肛門のことがクローズアップされがちだが
それ以外にも起こりうる不都合がある

直腸を切除していく際 直腸は骨盤腔内を通っているため
膀胱や生殖器へ向かう神経を切除する必要が出てくる場合がある
そうなると排尿障害や性機能障害が出てくることとなる
術後の生活をしていく上で
人工肛門の管理よりもこちらのほうが生活の質を低下させる大きな要因となる

手術ゆえに起こる避けられない不都合は
手術の種類ごとに特徴的なものがある
もし手術を避けられないならば
術後どのようなことが起こりうるかも
理解しているほうが望ましい