Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

ダンディー爺さんを目指して 日々を生き抜く
ダンジーブログ

命の綱

2012-10-16 | 想い・雑感
「これが命の綱…」

点滴の方を見ながら
穏やかな顔でつぶやく

もはや残された時間が限られ
食事を食べることも叶わぬ
40代の女性

どこまで 吹っ切れるものなのだろうか
本当に 吹っ切れるものなのだろうか

唐突に
拘りなく
当たり前のようにつぶやいたその一言が

心を 貫く

責任逃れ

2012-10-16 | 想い・雑感
伝える内容が厳しくなってしまうとき
つい楽観的な内容を伝えてしまうこともあるかもしれないが

説明を手控えたところで
逃れられない現実ならば
事実を知ったときの落胆が大きくなる

胃癌による狭窄で食事がまったく摂れない方が
紹介されてきた
腹膜播種がすでにあり
根治手術は不能だが
食事を食べられるように また抗癌剤を服用できるようにという目的で
姑息的手術が必要な状態

その旨は紹介医も知っているはずだが
患者さんは
腹膜に散らばったしこりも含め
全部取りきれるというような理解をしておられた
かなり事実を隠した説明を受けているとか思えない

きちっと事実を伝えないのはやさしさではない
単に伝えるという責任から逃れているだけだ

それに取れないものを取れるかのように説明するというのは
隠しているというよりうそになる
安易な説明は厳に慎んでほしいものだ

10年

2012-10-16 | 想い・雑感
「ちょっと顔を見て挨拶をしたい」といわれる方がおられます
と外来受付の方から連絡

お会いしてみると
10年前にかなりの進行胃癌に対し
胃全摘を施行したかた

「無事10年経ちました。
区切りの時期なので、一度お顔を見ようと思いまして。」

早期がんの方以上に
進行癌の方が再発なしで元気にされているとうれしい

そしてこんな風に
挨拶して頂けるとこちらも元気になり
そろそろ外科医を引退するかなぁ…
なんてことを考えることもあるが
もうひとがんばりしてみるかなんて気持ちにもなってくる