Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

ダンディー爺さんを目指して 日々を生き抜く
ダンジーブログ

甘み

2006-07-09 | 想い・雑感
 昔に比べて、日本人の摂取カロリーが随分と増加し、肥満やメタボリッックシンドロームなどが問題となるようになっている。昔だと甘いものはしっかりと甘い、というものだったが、最近では「甘みを抑えた…」というキャッチコピーが多い。

 先日久しぶりに一六タルトを食べた。四国は松山のお菓子だと思う。昔食べたときはかなり甘いあんが使用していたと思うが、今回はあまり強い甘みは感じなかった。やはり時代の流れで、甘み控えめにしているのだろうか。

 ところで夏目漱石も食したのかなあ?

当直

2006-07-09 | 想い・雑感
 「お泊り」
 子供にとって、ちょっとどきどきする響きだった記憶がある。

 しかし現在、病院へのお泊り---「当直」---は気が重い。

 入院ベッドのあるところは夜間も医師がいる必要があるために、当直が義務付けられている。本来の任務は入院患者に何か起こったときに対応することである。よって、それほど多くの業務がないであろうということにして、通常勤務扱いとなっていない。当直の翌日も仕事があれば当たり前に勤務しなければならない。

 実際の当直が暇ならばそれも致し方なしだが、多くの病院では急患対応もしているのが現状であろう。

 病院側は、当直はそれほど忙しくありませんよという体裁の書類を提出し、労働基準局もそれほどきちっとは監査していないようで、状況は変わらない。

 こんなことは一例で、今の医療はいろいろなところに無理なしわ寄せをして、何とか成り立っている。

 それにしても体というのは正直なもので、当直明けは体調が崩れる。年を重ねるごとにその傾向が強くなるのが、すこし悲しいかな…。

おや!

2006-07-08 | 想い・雑感
 前項を投稿して気がつきましたが、ブログをはじめて200項目でした。これが201項目。まだまだ先のことと思っていたので意外でした。

 ざっと振り返って見ると、のほほんと毎日を過ごしつつも、いろいろなことを書いているものですね。この短い期間に書いたものなのに、忘れているような内容も在るのだから面白いですね。確かに日記という意味合いがあります。

 最初の思いの「健康をキーワードとして…」というのから少しずれてきているような気もしますが、まあ良しとしてください。

 楽しみつつ合計1年は続けてみますので、訪れてくださる方々、よろしくお願いします。

今を生きる

2006-07-08 | 医療・病気・いのち
 胃癌の発生数自体はそれほど減少していないそうだが、胃癌で亡くなる方の数は全体とすれば減少傾向だ。これは、早期に見つかり治療が行われるケースが増えたことが一つの要因と考えられる。しかし、今でも手術ができないくらい進行した状態で来られる方も少なからずいる。

 体がだるいし、体重も減ってきたとのことで開業医を訪れたAさん。内視鏡検査で胃癌を見つけられ紹介されてこられた。お腹を触ると上腹部に大きく張り出した肝臓を硬く触れる。念のためエコーを当てると、肝臓に多数の腫瘤を認めた。多発性の肝転移である。

 10年前なら、余命数ヶ月と考えていただろうが、現在ではそれを延長できることが多くなってきた。胃癌化学療法の進歩である。

 Aさんには状況の説明をある程度行い(はじめて会った途端にいきなりすべては伝えられないのでぼんやりと、しかしことは重大であることを伝える)、その日からTS1という抗がん剤内服を開始した。数日後入院の上追加検査を行うとともにシスプラチンの点滴を行った。

 抗がん剤治療すべてにいえることだが、効かない人にはまったく効かないが、効く人には驚くほどの効果が出る。中には治療を始めて数日で体調がどんどん良くなる人もいる。Aさんの場合はそこまではいかないが、1クールの治療が終わるころには、硬く触れた肝臓が少し柔らかくなり、食欲も改善してきた。もう1クール治療を行ったうえで効果判定を行うが、期待できる。

 ただ、注意していただきたいのは何が期待できるかである。消化器癌の場合、抗がん剤治療で治癒することはまずない。言ってみれば延命治療である。そこを勘違いせずに体調が改善している間に、「今」を大切にし、明日に備えていく必要がある。

 これって、がん患者に限らず、我々すべての人間に言えることなのだろうが。

腫瘍

2006-07-06 | 想い・雑感
 昔は子供の好きなものとして、「巨人、大鵬、卵焼き」の3つが挙げられた。その巨人の一つの全盛期を支えたのが王貞治選手だった。ホームラン世界記録が今か今かと迫った頃のことを思い出す。巨人の好き嫌いはあっても長島や王は皆から好かれる選手であった。

 すばらしい選手が、すばらしい監督になれるとは限らないが、王貞治という人はその両方を為し得た人である。

 ホークスを強いチームにした上に、小久保、城島、井口を放出しても優勝争いを出来るような層の厚いチームに育て上げたのである。

 その王さんが手術のためにチームを離れるという。症状が有った点、診断から入院までが慌ただしい点、腫瘍という言葉で何となくぼかしている点などが気になるが、まあ手術が出来る段階とのことでしょうからよしとするしかないだろう。

 ゆっくり確実に体を回復させて頂き、優勝への最後の仕上げを王さんの手で作り上げて欲しいと思う。

泣き・笑い

2006-07-04 | 想い・雑感
 「泣いたカラスがもう笑うた。」
 私が子供の頃、泣いていたのにちょっとしたことで今度は笑っているのをみて、親からこのように言われたことがある。たやすく変わる感情の表出をからかいつつも、笑顔になって良かったという親の温かい心を感じさせられた。自分自身にすこし照れくさく感じながらも。

 この泣き笑いの変化は、子供故に感情コントロールが未熟という風に見ることも出来るが、素直に感情を出せる素直さはすばらしいと思う。泣くのも笑うのも感情自体ではなく行動であり、実際に行動に移せると言うことだ。感情を押し殺し、内心とは別の表情を作ると言うことは、その人が気づかないうちにきっと多くのストレスを蓄積し続けることになる。

 笑いが体に良い影響を与えることはいろいろ言われているし書かれている。きっと事実だろう。

 でもいつも笑えるわけではないよね。泣きたいときもあるよね。

 泣きたいのをじっと我慢、なんて言うのは良いことかと言えば、やはりそれは自分の感情を抑制しているのであり、本当に悲しければ思いっきり泣いた方が良いと思う。声を出して泣くことにより、心の中の苦しみや、悲しみも少しずつ洗い流されていくはずである。

 「人生泣き笑い」という言葉がある。そういわれると、確かに泣き笑いが人生を作り上げているような気がする。そして実際に行動として泣いたり笑ったり出来る方が、人間としてより自然な姿なのだと思う。

 「泣きなさあいー♪、笑いーいなさーあーーい♪」

 

心を失う

2006-07-04 | 想い・雑感
 時の流れとは不思議なもので、物理量としてはおそらく変化はないのだけれど、心の在り様によって早くなったり遅くなったりする。

 若いころに、「忙しいという字は、心を亡くすと書く。」といわれなるほどと思わされた。それ以来、1:忙しいという言葉は極力使わない、2:心があわただしくなってきたら、一つずつ一つずつととなえる、ということを実践してきた。

 ただそれだけのことで、随分と足元を見つめつつ、周りの風景もみつつ生きていけるような気がする。仕事が立て込んでいるときでも、周りからはそうばたばたしている様には見えないようでもある。時の流れ方が少し変わってくるのである。

 でも今回膝を痛めて、日常の行動自体をゆっくりすることを余儀なくされてみると、まだまだ慌ただしく生きている面が多いと感じた。人生の今というステージでそれが良いことか悪いことかはわからないが。

膝痛

2006-07-03 | 医療・病気・いのち
 半年くらい前から、左膝内側に痛みを感じていた。

 3日前の夜、家でものを落としそうになった瞬間、少しねじったのか強い痛みが出現。翌日整形外科で診てもらったところ、半月板損傷の疑いありとのこと。場合によっては、関節鏡下手術が必要かもしれない。

 まあそれはなるようにしかならないが、中学2年のとき走り高跳びで左膝を痛めて以来、久しぶりに松葉杖をついた。短い距離の移動にも時間がかかる。駐車場の車止めすら邪魔になる。人とぶつからないかと気になる。施設内の動線上に置いてある物が障害になる。などなど、改めて気づかされることが多くあった。

 そして、中学生のときは反対の足だけでどんどん進んでいた(ケンケンで)のにそう身軽ではなくなっていることにも、改めて気づかされた。自分の体と折り合いをつけながら生きていく年齢に突入だ。

血液は流れていないと

2006-07-02 | 医療・病気・いのち
 人は60兆個の細胞から構成されていると言われます。心臓というポンプで送り出される血液は、その多くの細胞のすべてに栄養と酸素を送り届けるとともに、老廃物を取り払います。

 血管が狭くなったり、血のかたまりが血管の中に出来たりすると、この血液の流れが悪くなったり、途絶えてしまったりします。そして、そこから先の臓器には十分な酸素などが供給されなくなり障害が起きます。

 心臓へ行く血管が問題であれば、狭心症や心筋梗塞となり、脳へ行く血管に問題が起これば一過性脳虚血発作や脳梗塞が起きます。

 大腸へ行く血液の流れが障害されれば、虚血性大腸炎を起こします。突然の腹痛とともに下痢や下血が症状としては起こりやすいことです。半数以上の方は、一時的な症状のみで、合併症無く治癒しますが、急性期を過ぎた後に腸管が狭くなってしまい手術が必要となる場合もあります。最も重症なのは、腸管が壊死してしまう場合です。緊急手術で腸を切除する必要があります。壊死した上に破れてしまうと、重症腹膜炎となり、敗血症からショック、他臓器不全となり、死に至ることもあります。

 元内閣総理大臣の橋元龍太郎さんが亡くなられたとの新聞報道を見ました。原因はこの虚血性大腸炎とされていましたが、事実ならば急速に重症化してしまうタイプのものだったのでしょう。テレビでもよく紫煙をくゆらせる姿を見せていた方ですから、もともと血管も傷んでいたのかもしれませんね。

 ご冥福をお祈り致します。

メメント・モリ

2006-07-02 | 医療・病気・いのち
 様々な分野で、日々技術は進歩していく。医療の分野でも、またそれを取り巻く領域でも技術革新は著しい。

 現代日本人の多くは、神や仏、人智を超えた力なるものに代わり科学技術に対する信仰が強くなり、自然とはコントロールできるものと考えている節がある。医療分野でも同様で、人という宇宙(自然)におきる異常(病気)は、技術で何とかできるというふうになんとなく信じているようである。

 その究極は、人体を機械とみるものである。

 未熟児に様々な管をつけてこの世につなぎとめ、悪くなった血管を人工物で置き換え、手術で体を修繕し、はては悪くなった臓器を他人のものと置き換える。これらは偉大なる進歩だが、確かに人体を機械と考えさせるには十分な事実だろう。

 でも当たり前のことながら、人は生命体だ。生あるということは、必ず死を内包している。医療技術でなんともならないことは、漠然と思っている以上にたくさんあり、何とかできることのほうがはるかに少ないのである。

 現代のように死が身の回りから遠避けられた時にこそ、死を想う(メメント・モリ)必要があるだろうし、その教育が必要だと考える。

盲腸

2006-07-01 | 医療・病気・いのち
 虫垂は大腸の始まりである盲腸から外に飛び出したように存在する、細い臓器である。ここに急性の炎症を起こしたものが急性虫垂炎で、俗に盲腸といわれるものである。昔は盲腸の炎症と思われていたために盲腸と呼ばれるようになったらしい。

 炎症が進んで来るとそのうち虫垂の壁が壊死を起こし破れてしまう。急性虫垂炎で手術が必要になるのは、この危険を避けるためである。破れると腹腔内に広がり腹膜炎から敗血症、さらには他臓器不全から死に至ることがある。

 よく「散らす」という表現を使うことがあるが、これは抗生物質の使用によって炎症を押さえ込む(昔は、冷やすことによって炎症を抑えることも含んでいた?)ことである。

 抗生物質によって炎症が軽快することも少なからずあるが、中には症状が軽快したあとも微熱が出たり、お腹が何となく痛かったりが続くことがある。そのような人の中にはm虫垂が破れているのだが、周りの大網や腸に囲まれて膿が限局化しているという場合がある。CT検査などで腹腔内腫瘤として紹介されてくる方の中には、そのような虫垂が破れたなれの果てということもある。結局粘らずにさっさと手術をしておいた方が、小さな傷で治りも早いという結果だ。でも結果をあらかじめ予想するのは難しい。