~ 恩師の「心行の解説」より ~
「肉体先祖に報恩供養の心を忘れず」
今、自分が存在するのは、無限のご先祖様から代々と受け継いでいただいたからです。
そうして初めてこの世に自分が在らせていただきます。
ご先祖の無い方は一人もありません。無限の数のご先祖様の縁生をいただきまして、
今の自分が与えられています。有難いことに、正法を実践させていただき、
心に目覚めて自分が救われた時には、ご先祖様もまた救われます。
無限のご先祖様を寄せ集め凝縮させたものが自分であるならば、
自分自身が悪い癖、欠点を修正して、自分が救われた時には、
ご先祖様も救われるのです。
自分の塊がとけた時同時に先祖代々の悪い癖、欠点を自分がとかせていただくことが出来るのです。
これはご先祖様に対するご恩返し、報恩になりますね。「供養の心を忘れず」とは、
人としてなすべきことで、忘れてはいけません。
高橋信次先生にご縁を戴いた方が、早とちりをなさって、「もう仏壇はいりません。
お墓もいりません」と言って、仏壇を閉じてしまったり、中にはこわしてしまった人もあったそうです。
神はただお一人、この全宇宙の中にただおひと柱ですから、いろいろな神を祀ることは要りませんが、
ご先祖様はそんなわけにはいきません。
昭和五十三年当時のことです。
あるところで、息子さんがノイローゼになって困っておられたお宅へ寄せていただきますと、仏壇がしめきってあるのです。
「高橋信次先生の教えを学んだから、もう仏壇はいらないので、しめきったままにしています」とおしゃっていました。
先生はそういうことはおっしゃっておられなかったはずです。
「心行」にも「肉体先祖に報恩供養の心を忘れず」と、ちゃんと書いていただいているのに、
仏壇を閉じたり、ないがしろにしたりしてはいけません。「心行」を真に理解しますと、
そういうことはできないはずですね。そこで、仏壇の扉を開けて、
よくお詫びをしますと、息子さんのノイローゼはいっぺんに治りました。
仏壇には、ほんとうに不思議なことが起きます。成仏されていないご先祖様がおられて、
仏壇の中が自分の住む場所であると思っておられますと、無礼なことをした時とか不遜なことをしました時には、
必ずよくないことが起きます。
~ 感謝・合掌 ~