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バランス
帰宅後、佐川急便が届く。
見ると、先週受けた
息子の<合否判定テスト>の結果だ。
ここしばらく、息子の成績も
落ち着いていたので
少し親子ともに、ゆるんでいた結果・・・
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・・・どこも入れる学校、無いぢゃん
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・・・
ここでしばらく、呆然となり
まあしかし、これが現実だ、ということを受け入れてみる。
確かにここのところ
私はあと2週間後に迫った一件に気持ちが集中していたかも、しれない。
この結果は
私がバランスを崩した、ということなのだろうか・・・。
たいがい、受験生の母親というのは
こどもを学校に送り出した後
猛勉強するらしい。
塾もそれを当てにしているようで
保護者用のテキストを配布したりする。
息子のママ・フレンドのうちの一人も
1問1問、全てに目を通し
子供が塾から帰ると(この時点で夜の9時半は過ぎている)
今度は、マンツーマンで
全ての問題が解けるまで、今度はママが家庭教師となる。
今、流行の”大人の脳トレ”には
すごくなるなぁ・・・。
と、他人事のような私は
現在の受験生の母親としては、ダメダメらしい。
そう、私にそれは、出来ない。
会社を抜け出して、帰宅し
夕食を作って、塾へ迎えに行って
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ご飯食べて、後片付けして、
朝食の準備をして
次の日の支度を整えるので、
正直、いっぱいいっぱい。
あと、私の中では
<親に勉強を教えてもらった記憶>が、無い。
小学校から大学卒業まで、一度も。
勉強なんて、自分でするものだ。
私の母もここのところは割り切っていて
~ 教育は教育のプロにお任せする。
学校に行ったら、全て先生にお任せする。
だから、行儀が悪かったり、成績のことで
先生に怒られようが、しかられようが
それは、先生に一任する。 ~
というスタンスを貫いてくれていた。
なので、私は思いっきり学校生活を色々な意味で楽しめたし
それを家庭に持ち込むことは無かった。
けんかしようと、先生に怒られようと、
それは、それで、学校での出来事であって
それが嫌だったら自分自身で解決する・・・。
今は逐一、学校での様子を
親に報告あるいは親が聞き込みをするので
こどもは自分に都合の良いようにしか
報告なんかするはずないので
けんかなんかあると、
相手の子が敵となり、
それをおさえなかった教師が悪人となってしまう。
いわゆる、<モンスターペアレント>は
テレビの中の話ではなく、どこにでも存在する。
現に、息子のクラスにもいる。
中学校受験は、本人の能力だろうと思っていた私は
やはり、<母親>あるいは<父親>が
こどもと一緒になって、合格を勝ち取るのだ!という論理に
ある意味、わかるような気もするし
ある意味、ちがうような気もしている。
私と同年代の、私の弁護士先生は
テストでいい点をとると
親が近くのファミリーレストランで
ハンバーグをご馳走してくれるのが嬉しくて
勉強をしていた、と言う。
そう、私たちの世代の
親子関係って、そんな感じだったのではないだろうか・・・。
そして、息子を見ていると
どうも”あと1点とるぞ!”とか
”あいつだけには負けないぞ!”みたいな
そういう感覚が全くないので
テストの結果について、執着が無いというのが
受験に向いていない・・・
というのが、塾の先生と私に共通している見解だ。
しかし、
人生を大きく捉えると、
息子的生き方のほうが、人生を悠々を生きていける。
<人と比べて、なんぼ>みたいな、感覚。
人と競争したり、点数をとることに過剰に意識をむけるくせが
ついてしまうのが、
この<学歴競争社会>なのだけれど
人生は、そんなもんぢゃない。
っていうことを、大人は分かっているはずなのになぁ・・・。
私は、高校時代のクラスメートの男子たちを見ていて
本当に男の子というのは
自分でスタートダッシュを決めたら
そこからが、勝負
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というのを
見て知っている。
東大にストレートで合格するような男子は
やはり小学生のころから飛びぬけて
何でもできたし、性格ももの静かだったりする。
現在彼らは、やはり東大を出ていないと入れないような
大会社や省庁で、もの静かに世の中をまとめていてくれている。
しかし、あとの男子たちは
たとえば、高校2年の段階で
成績がワースト3であった男子が
こっぴどい<失恋
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>を経験して
それをバネに、勉強に意識を向け、
ストレートで上智大学にはいり、大学院も出て
博士号をとった。
あるいは、学校の規則をちょっと守れなくて
いつも校長先生にしかられていた男子2人組がいたのだが
一人は、ワールドカップやトヨタカップなど
日本や世界のサッカー大会の責任者を務めるような大物になっているし、
もう一人は、警視庁から外務省に出向し、
タイの日本大使館の一等書記官をしていたときに
スマトラの大地震があり
日本人の捜索に昼夜寝る間も惜しんで勤めたということで
ニュースにもなった人物になっている。
エベレスト清掃や富士山清掃で
有名な<野口健>さんは
同じ高校の後輩。
彼も高校時代は勉強が苦手で
同級生とけんかをして、停学になった時に
山を登り始めた・・・
そして、今は世界的な素晴らしい活躍をしている。
つまり、
男子のスタートラインはそれぞれで、
でも、本気になって走れば、ものすごく伸びるということを
目の当たりにして知っている私は、
現時点で、
”1点勝負”に賭けたりすることに
全然興味の無い息子を見ていても
実はあまり、あせっていないし
逆に、人生を歩く上で、自分なりの歩幅を持っているというのは
素晴らしいな、なんて思ったりしているので、ある。
長々とお話したけれど
これは私が息子の勉強を見ていないから
息子の成績が芳しくない、ということを
認めたくない、という気持ちもあるかもしれない。
(正直なところ・・・
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)
息子の成績のケアをしながら
自分の仕事もまっとうする・・・
そういうバランスがとれるようにする必要があるのかな・・・。
2週間後に迫ったミッションが
無事終了したら、
すこし、そのバランスを整えていこう、
と思った、昨夜の<合否判定テスト>の結果。