YNWC的な日常

街の中でも季節を感じて暮らしたい。生き物や自然のの話を中心に美味しい食べ物、散歩のことなど綴っていきます

ジャムとペクチンと細胞のお話

2022-02-04 23:11:00 | 生物の不思議・生命の神秘



ジャムっていうのは、果実等を砂糖で煮ることで腐敗を遅らせた保存食。

正確には果実や果汁に含まれているペクチンに糖類と酸が作用して、ゼリー状に柔らかく固まる作用を利用した加工食品。

そう、ゼリー状になっていて初めてジャムと名乗ることができるのです

本日の主役であるペクチンというのは、植物に含まれる成分。種にはたくさん含まれていることが多く、ジャムを作るときには種も一緒に煮ることが大切です。

カリンジャムをにた煮た時に、一緒に入れたカリンの種がこちら↓



最後に取り出してびっくり!!
このネバネバがペクチンというやつのようです!!!

そもそもペクチンでいう物質は、植物には欠かすことができない「細胞壁」を作る成分。
久しぶりに細胞壁なんて名前を聞きましたが、植物だけが持つ組織でしたよね。
その主成分はセルロースとヘミセルロースとペクチン。どれも多糖類でセルロースが骨格、それを支えるヘミセルロース、その隙間を埋めるのがペクチン。

なるほど接着剤のような働きをしてくれそうな物質です。



ペクチンは、酸や糖の添加によりゲル化する性質を持っています。
これを利用してジャムを固めるわけです。

ペクチンが少ない果実でジャムを作る場合は、市販のペクチンを追加することもあります。



ジャムのとろっとした食感、いいですよね。

まさか細胞壁を作る物質に、日頃お世話になっていたとは…。



ジャム作り、まだまだ奥が深そうです。



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ネコヤナギ

2022-02-04 18:00:00 | 樹木




暦の上だけでなく、春の準備は確かに始まっている。ネコヤナギの綿毛は毛皮のコートのように美しい。この外側には真っ赤な鱗片が小人の帽子のように被さっていた。それが落ち、やがて綿毛の間から雌雄の蕊が顔を出す。ふわふわの綿毛に守られて開花の時を待っている。



↑これが小人さんの帽子。赤茶色の芽鱗。この芽鱗は合わせ目のない1枚でできているため、帽子の形のままポトンと落ちます。ヤナギの仲間はこうしたタイプが多いらしい。



ネコヤナギは雌雄異株。こちらは雄株。2月も下旬が近づくと中から真っ赤な葯が伸びてきます。

そして葯が開くと中から黄色い花粉。




ネコヤナギの冬芽は次々に色が変化していく。

ネコヤナギの変種、クロヤナギ



名前の通り真っ黒!

でも蕊が伸びてくるとこの通り。



葯が開くとネコヤナギのように黄色い花粉が目立つようになるらしい。



ネコヤナギの白い毛皮の1本1本が光をうけてきらめか様子は遠からずやってくる春を予感させてくれます。




ちなみにこちらが夏のネコヤナギ。なんの変哲もない水辺の緑。ヤナギの仲間は湿地を好みます。ネコヤナギは根元が水に浸かるようなところが好きと言われています。



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立春

2022-02-04 06:00:00 | 二十四節気



暦の上では春。

立春は二十四節気の第一。正月節とも呼ばれます。太陽黄経が315度のときで2月4日頃。

立春は春の始まりであると同時に1年の始まり。生活暦である二十四節気の基準となる日で、八十八夜や二百十日は立春を迎えた日から計算されます。

2月の初めと言えば、まだまだ寒い日が続きます。しかし、よくよく自然の様子を観察すると、植物の芽は膨らみ始め、早いものは花をつけ始めます。

つまり立春とは、「春が始まる日」というより「春の準備が始まる日」という方が正しい解釈と言えそうです。

よく言われる「暦の上では春になりました」は、「暦の上では春の準備が始まりました」と言う方が伝わりやすいのになぁ…なんて思うわけです。

そんな春の準備を探して、寒い戸外を散歩するのはこの季節ならではの楽しみです。寒さの中で発見する春の兆しはとても嬉しいものですから(*^_^*)


〜七十二候のページ〜

初候(2/4頃〜)東風解凍
次候(2/9頃〜) 黄鴬睍睆
末候(2/14頃〜)魚上氷


〜二十四節気・七十二候とは〜

旧暦(太陰太陽暦)が使われていた時代、季節のずれを調整するために作られたのが二十四節気。地球の周期をもとに、夏至と冬至、春分と秋分を設け、さらにその間を分けて1年を24等分して、季節の特徴を表した言葉を当てています。しかし、梅雨や台風などがない中国で作られたものがそのまま使われているため、日本の季節とは多少ずれるところもあります。
七十二候は二十四節気をさらに3等分ずつして、季節の特徴を当てはめたものです。日本独自に作り直された経緯があり、より、日本の季節にあったものとなっています。


〜横浜の雨温図(1981〜2010)〜




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