浦島さん

2021-08-06 07:38:00 | 
私は物心ついた頃からカメ🐢が好きだ。
イシガメと2、3時間は遊ぶだろうなぁ。
アオウミガメ相手ならレタス🥬を餌に一日中でもおしゃべりするだろう。
あの美しい甲羅を褒めちぎり、君の瞳は最高だ〜と…。 
アオウミガメはレタス欲しさに色んな仕草や目の輝きを披露しながらバシャバシャ遊んでくれると思う。

昨夜、太宰治の「浦島さん」の朗読を聴きながら眠ってしまった。

「もしもし…」
と、アカウミガメが太郎に話しかける。(カメはもしもしと話しかけられる方だ〜)
そして、竜宮城に案内するから背中に乗れと言う…

また、カメは、
「竜宮城でタイやひらめの舞踊りなんてありませんぜ〜」
と。

なるほど、タイやひらめの舞踊りなど無くて、
アポロチョコの形をした苔をかじらされ(これが美味しい)、バーテンダーが
「カクテルはサッパリスッキリが良いかコッテリ甘いのが良いか?」
と、尋ねてくる。スッキリで頼む…
苔や藻を使ったカクテルらしい。
年代物のカウンターは素晴らしい色調で重厚な雰囲気を醸し出す。

もてなしを受けていると誰かが話しかけてきて、
「これに指を入れて」
と言う。誰かは友達だった。
「あ〜、これ、あれね?血中酸素濃度測るやつね」
と、答えて指を入れた。
人間が竜宮城にいるのだものね。大事な事だ…
三つ入れる所があって、真ん中に突っ込んだ。すると黄色のランプが点灯し始める。
「音声で濃度を知らせてくれるから」
と、友達が教えてくれた。
「只今の酸素濃度は…」
鳥の囀りでよく聞こえないので耳を澄ます。やはりよく聞こえない。
ここは海の底のはずなのに、鳥は真横にいるようだ。
振り払おうと腕を振る。

鳥の囀りはスマホの目覚ましアラーム音⏰だった。