はせがわクリニック奮闘記

糖質制限、湿潤療法で奮闘中です。
パーキンソン病にはグルタチオン点滴を
癌には高濃度ビタミンC点滴も施行中です。

ブログで見つけての来院

2014年09月09日 | 糖質制限食
今朝の新患Sさんは56歳女性で、誰の紹介でもなく、ブログで糖質制限を指導している医療機関を検索して、当院を探し当てられました。
このようなケースは初めてです。
ちなみに、 " 熊本市糖質制限 " でグーグル検索をかけると、なんと第1ページの2番目に、" はせがわクリニック奮闘記 " が掲載されています。

Sさんの父親は糖尿病からの透析が必要となり、79歳で亡くなられたそうです。
それを見ていただけに、糖尿病の合併症の怖さは、よくご存じでした。

さて、Sさんですが、2年くらい前から、眠気やだるさを自覚されるようになられました。
しかし、夫婦でコンビニ経営を切り盛りされているせいで睡眠不足がはなはだしく、それが原因だと考えていたようです。

今年の8月に初めて近医を受診し糖尿病であることが判明しました。
振り返れば、極度の睡魔やだるさは血糖値の乱高下に由来するものだったのです。

Sさん自身には最初から糖質制限の知識があったらしく、8月12日からプチ制限、8月24日からはスーパー制限を始めておられます。
また本人は江部康二先生が医療関係者向けに書かれた、" 糖質制限食パーフェクトガイド " も購入されておられました。

糖質制限を理解し、実践されていて、なおかつ、私には、そのことに詳しい主治医となって欲しいとのことでした。

毎日毎日、口を酸っぱくして、患者さんたちに糖質制限を勧めています。
それでも、スーパー糖質制限に成功される方は1割にも満たないのが現状です。
Sさんのような新患さんの登場は、新しい時代の幕開けを象徴しているのかも知れませんよね。

失われた10年

2014年08月28日 | 糖質制限食
65歳女性患者Aさんです。

55歳の時に会社の健康診断にて糖尿病を指摘されました。
すぐに近くの内科医院を受診して、内服を処方され、カロリー制限の指導が開始されました。
外来受診を続けられましたが、食べると怒られることにストレスを感じて、2年後には有名な糖尿病専門医に転医されました。

専門医でも、バランスの良い食事とカロリー制限、適度の運動、内服の続行を指示されましたが
血液検査のデータは、なかなか改善しませんでした。
食べるのが生きがいであるという自分の性格に問題があると思い込み、60歳にて治療を断念。
その後放置していたそうですが、偶然測定された血糖値は450もあったそうです。

今年、視力障碍を自覚されて眼科を受診。
網膜剥離と緑内障と診断され、両眼ともレーザー治療を受けられました。

失明の危機が迫っているとのことで、3月17日に当院初診。
実は昨年の12月にインフルエンザにて当院を受診しておられ、そのせいで敷居が低かったものと思われます。

初診時3月17日のデータは151cm、56Kg
血糖値 : 376 HbA1c : 12.9 中性脂肪 : 195 総コレステロール : 259
糖質制限の考え方を説明して、江部康二先生の本を貸出し、糖質量ハンドブックを実費で譲渡しました。
内服はジャヌビア (DPP4阻害薬 ) 単剤としました。

4月1日 体重は4Kg減っていました。
血糖値 : 159 HbA1c : 12.2 中性脂肪 : 92 総コレステロール : 287

5月15日 カロリー制限がないので、この食事なら続けられる自信がついてきたとのことでした。
血糖値 : 132 HbA1c : 8.6 中性脂肪 : 139 総コレステロール : 276

7月16日 体重も順調に落ちて、もう肥満の面影はありません。
血糖値 : 145 HbA1c : 6.8 中性脂肪 : 77 総コレステロール : 254

このような数字にまで改善したことは過去に一度も無かったそうで、
Aさんは、 " いままでの10年間は何だったんでしょう! " と憤慨されました。

9月に採血をしてA1cが正常範囲に入っていたならば、内服処方を中止して、とりあえずは2か月に1回の受診を勧めます。
やがては半年に1回となり、最終的には、1年に1回となるかも知れません。

10年治らなかった ( 医者も本人も治る病気と思っていなかった ) 糖尿病が、糖質制限のおかげで、半年で内服無しになったのです。

江部先生に感謝です......


江部康二先生の前書き・夏井睦先生の後書き付きの本

2014年08月27日 | 糖質制限食


著者であるジョン・ブリファは英国人医師ですが、イギリスにおける食事療法、体重管理、健康の第一人者です。
そして、この本自体の内容はまさに糖質制限を徹底して脂肪摂取をこわがるなというものです。

内容の大部分が江部先生や夏井先生の主張とオーバーラップしてしまいます。
それでも、表現や引用が異なりますので、読み終わった時には、自分の知識が分厚くなったような気持ちになりました。

2000円を超える定価ですので、購入をためらう方々のために、初耳の内容だけを列記しておきます。

カロリー制限ダイエットは、コルチゾール濃度を上げるので、体脂肪が増えて体重減少を妨げ、病気に罹りやすくなる。

タンパク質はインスリンの分泌を促すが、グルカゴンの分泌も促すので、インスリンの脂肪生成作用が抑えられる。
タンパク質は炭水化物や脂肪よりも効果的に食欲を満足させる。

炭水化物は血糖値を乱高下させるので食欲を満足させにくい。
炭水化物の摂取は大量のインスリン分泌を促し、インスリン抵抗性を生じさせる。
インスリン抵抗性は炎症とも関係しており、脳の炎症はレプチンの働きを損ない、肥満を発生させる。

中性脂肪の上昇はレプチンが脳に到達するのを妨害する。
糖質制限食は、インスリン感受性とレプチンの働きを改善し、空腹感を覚えずに減量させる。

ナッツ、アボガド、オリーブオイル、肉、卵、バターなどの一価不飽和脂肪酸の摂取は心臓病リスクを低下させる。

スタチンの投与で心臓病リスクは下がるが、それはコレステロールを下げた結果では無く、違うメカニズムが働いている。
コレステロールを下げる新薬 ( ゼチーア? ) が心臓病リスクを変化させるかどうかのデータはまだ発表されない。
低いコレステロール値は高い死亡リスクと関連がある。

果糖は血糖値を直接上昇させることは無いが、様々なメカニズムを通じて、体重増加と健康問題を引き起こす可能性がある。
ダイエットのためには人工甘味料のほうが砂糖より良いことを示す十分な証拠は無い。
人工甘味料が体重増加を引き起こす可能性があることは、動物で実証されている。

牛乳と乳製品の摂取には、子供と大人の骨の健康に関して、メリットは殆ど無い。
ヨーグルトを食べると、脂肪減少が促進される。

ダークチョコ ( カカオ70%以上 ) 二切れはOKかも。
クロム、マグネシウム、ビタミンBは血糖値を安定させて食欲を抑える。
味の素は食欲を刺激する。

有酸素運動は減量に効果無し。
抵抗運動と高たんぱく食が筋力を落とさない減量に効果あり。
最近、高強度間欠的運動が体脂肪を減少させることが分かってきた。

江部康二・炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません

2014年08月26日 | 糖質制限食


江部康二先生の最新刊です。

これまで、糖尿病の治療と減量効果で注目されることの多かった糖質制限が、様々な疾患の予防や治療に有効であることを書き連ねてあります。

簡単に列記してみます。

癌、胃切除述後のダンピング症候群、心筋梗塞、脳梗塞、動脈硬化、うつ病や精神疾患、情緒不安定、統合失調症、老化
片頭痛、逆流性食道炎、アレルギー、アルツハイマー病、不妊症、難産、巨大児出産、感染症、肺炎、歯の病気、
腰痛、膝の痛み、頻尿、はげ、乾燥肌、高インスリン血症と反応性低血糖、食後の眠気などです。

どれも、私の中では常識となっていることばかりでしたのですが、癌に対する考え方に新しい知見が紹介されました。
これまでは、 "癌細胞は脂肪酸やケトンを利用できず、ブドウ糖だけが唯一のエネルギー源である。
したがって糖質制限で癌細胞を兵糧攻めにすることができる。 " というだけの単純な理論だったのですが、
ケトンそのものに癌の抑制効果がありそうだということが分かってきたようです。

また、もともとインスリンには発がん効果があることが知られていましたが、
最近では、癌細胞そのものにインスリンを出させるメカニズムがあり、
自分のエネルギー源であるブドウ糖を取り込みやすくしているのではないかと考えられているそうです。

ケトン食での癌治療はアメリカでも日本でも臨床研究が進められています。
江部先生自身もこの本で、自分が癌患者になった場合はケトン食に切り替えると述べておられます。

私たちの体では毎日数千個もの癌細胞が発生しているそうです。
免疫系ですべて打ち殺しているのですが、まれに打ち漏らしが発生します。
打ち漏らされた癌細胞が成長し、癌として出てくるには10年から20年の歳月を必要とするそうです。
江部先生が糖質制限を始められて12年が経過しておられます。
江部先生は、糖質制限を始める以前に発生した癌を心配されておられますが、私の浅知恵によれば
この12年間は兵糧攻め効果によって、癌細胞の成長速度が落ちているはずですので
10年から20年で発生するはずの癌は、実際には20年から40年後くらいにしか発生しないと思うのですが、どうでしょう?

モス・バーガー

2014年07月11日 | 糖質制限食
最近モス・バーガーがパンの代わりにレタスで食材を挟んだ、 " 菜摘みバーガー " なるものを発売しています。
以前にモスのフィッシュバーガーの大ファンであった私は、目ざとくその情報をキャッチしました。



感動しました。懐かしいフィッシュの美味さが、3年のブランクを飛び越えて蘇りました。
" 生きててよかった! "は大袈裟ですが、以後、毎日のように食しております。

モス・バーガー側が糖質制限ブームに乗っかって、このメニューを考案したのかどうかは分かりません。
分かりませんが、そうであることを期待します。
なぜならば、このメニューはレタスの最盛期を過ぎれば終了してしまうかもしれないからです。
その時に、糖質制限メニュー第二弾を考案して欲しいのです。

しかし、振り返れば、昔の私の定番メニューは、フィッシュバーガー1個と照り焼きバーガー1個というものでした。
これでは血糖値が上がって、追加インシュリン出まくりですよね。
体重が80Kgに迫ったのも当然でしょう。
ざるそばダイエットや、にぎり寿司ダイエットで失敗した前科もあります。

しみじみと、糖質制限ありがとう...... です。

SGLT2阻害薬と食事指導

2014年04月17日 | 糖質制限食
昨夜はA社とO社共催のweb勉強会に出席しました。
大阪での講演をwebで全国の会場のモニターに生中継するというものです。

毎回のことではありますが、勉強会というよりは、商品説明会、端的に言えば宣伝会です。

商品は4年前に欧米で販売が開始されたSGLT2阻害薬で、日本でも来週新発売となります。
以前にもアップしましたが、摂取した糖質の何割かを尿中にタレ流しにする薬です。

一日に1800カロリーを摂取する患者さんがいたとします。
バランスを考えて、炭水化物1000、タンパク質400、脂質400カロリーを毎日食べていたとすれば、
ブドウ糖が尿中に60gから80g排泄されますので、カロリー的には280も、炭水化物からのカロリーを失うことになります。
その結果、不都合なことが2つ発生すると思われます。

一つ目は、低カロリーです。1800-280=1520カロリーしか摂取できません。
二つ目は、バランスです。結果的には炭水化物は1000-280=720カロリーとなり、
総摂取カロリーである1520カロリーの47.4%しか炭水化物を摂取しないことになります。
すると、日本糖尿病学会が推奨する、炭水化物を50%以上摂取するという目標から逸脱してしまいます。
結果的に、学会が忌み嫌うところの、高タンパク、高脂質になってしまいます。

私が最も危惧するのは、患者さん達の空腹感が増大するのではないのかということです。
結果的にはカロリー制限を強化されたことになるからです。
そして、50%近くも炭水化物を摂るので、糖質制限にもなっていません。

最初の演者である滋賀医科大の前川聡先生は、"この薬を服用するからといって、
どんどん食べても良いということではありません。"と厳しく釘を刺されました。
2番目の演者であるドイツ人の医師は、"この薬を処方すると、
患者さん達は、お腹がすくのか、どんどん食べるようになります。"と、さらりと述べられました。

SGLT2阻害薬を処方する患者さん達への食事指導をどのように行うのか、次回は質問してみようと思います。

最後に、関西電力病院院長の、"玉無しチキンハート"である、清野裕先生が、長々と理論を述べられました。
まあ、以前と同じような内容だったのですが、最初は、"人間の脳と赤血球は毎日130gのブドウ糖を必要とする。"いう発言で始まります。
冒頭から間違っていますのでなんとも言いようが無いのですが、
そこまで断定するのであれば、脳が何グラムで赤血球が何グラムと、詳細を明らかにして欲しいと思います。
私の勝手な推測ですが、詳細は無いと思います。
昔は、脳と赤血球はブドウ糖しか利用できないと言われていましたので、その頃の文献からの単なる引用に過ぎないと思います。
ならば、その出典を公表する義務があると思います。
彼の理論はそこからスタートするのですから。

終了後は、土産の弁当を持ってガウディに行き、別の会合に出ていたT君と合流しました。
9時半から飲み始めたのですが、11時になった頃、T君が、"そろそろ最後の一杯にしましょう。"と提案してきました。
やはり。自分自身でクリニックを経営していると、昔みたいに野放図に飲んだくれるわけにはいかないと考え出すのでしょう。
えらいぞ、T君!
私に異存があるはずも無く、タクシーを呼んでの散会となりました。
しかし私は、帰宅して1時半まで飲んだくれてしまいました。
これでは早くに帰宅する意味はないかも.....

年寄りには甘い物?

2014年04月05日 | 糖質制限食
老人施設での常識と言いましょうか、スタッフは皆、"年寄りには甘い物"と考えているようです。
3時のオヤツは殆どが甘い物ですし、飲み物もジュースやヤクルトやポカリスウェットなどの甘い物が主流です。
"年寄りは甘い物で幸せになる。"ということが100%の常識とされているのです。

糖質制限という考え方が、今後どのように、またどれくらいのスピードで広まっていくのかは予想できませんが、
いつの日か、すべての施設が年寄りに甘い物を提供することをストップするようになったならば、
入居者の認知症進行にかなりのブレーキがかけられることを期待できると思います。

夏井睦・炭水化物の奴隷

2014年04月04日 | 糖質制限食
最近、夏井睦先生が、"炭水化物の奴隷"という表現を使っておられます。

炭水化物を食べて血糖値を上げ、セロトニンやドーパミンを分泌させて満足感を味わい、
数時間後には余ったインスリンによる低血糖からの激しい空腹感に襲われて、再び炭水化物を摂取せざるを得なくなる。
このことを一日に何度も繰り返すことを端的に表現したものでしょう。

昔の自分自身を思い起こせば、言いえて妙だなと感心してしまいます。

当時の私は、朝、目覚めた瞬間から腹が減っていました。
とりあえず、サッポロ一番味噌ラーメンを胃にたたき込みます。
とにかく空腹というか、反応性の低血糖に耐えられなかったのです。

昼食は行きつけの飲食店がいくつかありましたが、
中華料理屋でのチャーハンの大盛りが最大のお気に入りでした。
しかし、そのボリュームは半端ではありません。
食べ終えての帰りの車の中では苦しい満腹感に襲われて、毎回、普通盛りにするべきだったと後悔しました。
しかし、次に行った時にも、つい大盛りを頼んでしまうのです。
500円の普通盛りに100円追加するだけで大幅なボリュームアップとなるからです。

午後は毎日、強烈な睡魔との戦いを強いられました。
そして睡魔が退散した頃には、もう空腹感がちらほらと姿を見せ始めます。
あまりにもすきっ腹で飲み方に出かけるのは良くないという理由で菓子類に手を出していました。

飲み方では、それほど食べる方では無かったのですが、最後はきっちりとラーメン屋に立ち寄りました。
そのことによって翌朝の低血糖を誘発していたのです。

一日中炭水化物の支配下にある、まさに奴隷ですよね。

現在は空腹感をそのまま放置することができるようになっています。
低血糖ではありませんので、お腹がグーグー鳴っていても、切迫感の無い、放置可能なレベルの空腹感なのです。
このことを、たがしゅう先生は、"融通の利く空腹感"と表現されています。

糖尿病・SGLT2阻害剤

2014年04月03日 | 糖質制限食
昨夜は日航ホテルで開催された糖尿病の勉強会に出席しました。
テーマは近日中に新発売となる新薬、SGLT2阻害薬についてです。
腎臓でのブドウ糖の再吸収を阻害して、ブドウ糖を尿糖としてタレ流しにする薬です。
欧米では4年前から使われているそうで、減量効果も確認されているようです。

そこまでして炭水化物を食べるのかとも思うのですが、
糖尿病の専門医は、皆さん、"3食バランス教"の信者ですので、ゆめゆめ疑いは持たれません。

私が疑問に思ったのは、食事指導を変更する必要性が出てくるのではないのかということです。
3食バランス教では、患者さんにカロリー制限を課すことが必定です。
そこで、1800キロカロリー以下に制限されている患者さんが、この薬の服用を始めたとすれば、
バランス良く摂取された1000キロカロリー(1800キロカロリーの60%)のブドウ糖のうちの何割かが、
吸収されずに尿糖として捨てられるわけですから、一日の純粋な摂取カロリーはかなり低下するはずです。

低カロリー症を避けるための指導が必要になるのではないでしょうか。

私の妄想によれば以下のような指導になるのかも知れません。

"この新薬を飲み始めたならば、1枚しか食べなかった食パンは2枚に増やすように。
ご飯はできるだけオカワリをするように。毎日、甘い物を食べるように。"

糖質制限・食事記録

2014年04月01日 | 糖質制限食
糖質制限を始めて以来、毎日の食事内容を記録するようになりました。
今年になって、最も外飲みが少なかった3月3日からの一週間の記録をアップしてみます。

月曜日:(朝)味噌汁 (昼)鯛の塩焼き、ハムエッグ (夕)刺身、肉もやし炒め、ホルモン煮込み
火曜日:(朝)味噌汁 (昼)鰤の塩焼き (夕)刺身 すき焼き
水曜日: (朝)味噌汁 (昼)オムレツ (夕)刺身、オムレツ、野菜炒め
木曜日: (朝)味噌汁 (昼)鰤の塩焼き (夕)ステーキ、野菜炒め
金曜日: (朝)味噌汁 (昼)鰤の塩焼き (夕)ステーキ、刺身
土曜日: (朝)味噌汁 (昼)ケンタッキーチキン2個 (夕)スナック安楽でのボウリング大会打ち上げ
日曜日: (朝)味噌汁 (昼)ゴルフ場でのステーキのみ (夕)刺身、ケンタ1個、イカと大根の煮物、サラダ

朝の味噌汁は野菜と豆腐と熊本名産の南関揚げに半熟卵を落とした物です。
夜は飲みながら、さらにチーズやピーナツをつまみます。

糖質制限を始めた当初は、朝の味噌汁も無く、朝昼兼用で生野菜サラダに半熟卵やハムを乗せて、マヨネーズをかけて食べるのみでした。
79Kgもあった体重が9か月で64Kgを切りそうになったので、あわてて現在のパターンに切り替えました。
体重は66.5Kg(BMI:22.2)で安定しています。
体重は安定していますが、ブレスダイエットを続けているせいか、依然としてウェストは縮小傾向にあります。

"体重を維持するために、きちんと昼食を摂る"というような人生が、自分を待っているとは夢にも想いませんでした。

主食を抜けば糖尿病は良くなる

2014年03月17日 | 糖質制限食


数年前に出版された本のリニューアル改訂版です。
それほど期待することも無く購入したのですが、最終章は、脂肪代謝こそが人類本来のシステムであるということを、
新しい切り口で記述されており、楽しく読ませてもらえました。
一部をアップしてみます。
デイビッド・ホロビン著の「天才と分裂病の進化論」からの引用です。

今の人類が生き残れたということにも、脂肪は重要な役割を果たしたようです。
チンパンジーなど他の猿の仲間と比較して、現在の人類に特徴的なのは、女性の乳房とおしりが大きいことです。
これは、突然変異で人が皮下脂肪を蓄える能力を獲得したからなのですが、生存競争を考えると、このことの意味は大きいといえます。
例えば、普通の女性は水さえあれば何も食べなくとも、皮下脂肪に蓄えたエネルギーだけで、母子ともに二か月は生きられます。
ところが、チンパンジーや人間の男性の場合、蓄えた脂肪が少ないですから、一か月ほどで死にます。
人間の女性は皮下脂肪が多い分だけ生き残るのに有利であり、このことは同時に、子供を死なさずにすむことをも意味しています。
つまり、現生人類という種族が他の猿人や原人との生存競争に打ち勝ってこられたのは、女性が皮下脂肪を多く蓄える能力を持っていたからだということなのです。

また、人体にとっていかに脂肪が重要であるかは、人がエネルギーとして用いる物質の順番を見てもわかります。
人が一番にエネルギーとして使うのはアルコールです。
そして、二番目が糖質、三番目が脂質、最後がたんぱく質という順になります。
これは人体にとって重要度の低いほど先になっており、大事なものほど後に使っていると考えられるのです。


少しづつ、少しづつ、糖質制限の知識が増えていきます。
そして、角砂糖換算表をお渡しした患者さんは、この一か月で60名を越えました。
スーパー糖質制限に誘導するのはなかなか難しいのですが、根気強く、あきらめずに続けていきます。
たがしゅう先生がおっしゃられるとおりで、その良さを最も熟知しているのは、それを実行中の私自身なのですから。

糖反射の検索について

2014年03月15日 | 糖質制限食
昨日のブログに投稿をいただきましたので、とりあえず、お答えします。

"糖反射"については、「排泄の科学」というサイトがアップした記事が出発点です。
googleで"「砂糖」に付いて「排泄の科学」より"で検索するとヒットします。

もう一つのお勧めサイトは「アグリコ日記」です。
"砂糖という薬物5"でヒットします。
ここも凄いサイトですが、排泄の科学よりは読みやすいようです。

それにしても、この、ものすごい科学者たちは、いったい何者なんでしょうか?
素直に頭が下がってしまいます。

糖反射

2014年03月12日 | 糖質制限食
人間の胃袋は空腹時に15秒に1回くらいのリズムで蠕動運動を繰り返しているそうです。
ところが、そこに数mlの砂糖水を流し込むと、蠕動運動は2分に1回くらいまで減少するそうで、これを、"糖反射" と呼びます。
炭水化物が消化されにくいということは、昔からなんとなく感づいていました。
酔っ払いの吐物は、ご飯粒や麺類の消化不良残渣が殆どだからです。
私には、もともと二日酔いの吐き気はありませんでしたが、糖質制限仲間は、それが完全に解消されたと喜んでいます。

さて、私たちは胃カメラ検査をする時に、蠕動運動を抑制する薬物を使用します。
ブスコパン系の注射が昔から使われてきましたが、心臓に対して負荷がかかることが確実ですので、回避したい薬剤です。
最近は胃カメラのチューブから、"ミンクリア"というミントの香り系の液体を注入するようになりましたが効果はイマイチです。
それにミンクリアには高価すぎるという欠点があります。

そこで、私は、ミンクリアの替わりに、砂糖水を試すことにしました。
砂糖水でダメならばミンクリアを追加で流し込むという作戦です。

もちろん糖尿病の患者さんは除外します。

で、10例ほど試したのですが、全例成功でした。
明らかに蠕動運動を抑制しますし、ミンクリアよりも強力です。

私の場合はスプーン一杯の砂糖を10mlの水で溶かして、胃カメラに注射器で注入します。
もうすこし症例数を増やして、またアップします。

さて、昨夜は打ちっぱなしに行ったのですが、工事中で閉鎖されていました。
そこで仕方なくボウリングに変更しました。

ラウンドワン田崎店 5番6番レーン 使用球:未亡人
上がり3ゲームは 225,208,243 TOTAL: 676 AVE: 225.3 でした。
ストライク率は66.7%でした。このストライク率でAVEが爆発しないのは、スプリットが1回にミスが2回もあったせいです。

この日は、若者たちで満員に近い状態で、ロングオイルのレーンを取ることができませんでした。
ラウンドワンの値下げ効果が現れてきました。
私にとっては迷惑な値下げです。
投げ放題でも6ゲームでやめることが多いからです。

新角砂糖換算表

2014年02月26日 | 糖質制限食
患者さん教育用のプリントをリニューアルしました。
江部康二先生の、"食品別糖質量ハンドブック" を基に、角砂糖1個を3.7gとして割り算を行い、小数点以下を四捨五入しました。



ベストテンは
1.幕の内弁当 37個
2.鮭弁 33個
3.から揚げ弁当 31個
4.カツ丼 31個
5.のり弁 29個
6.カレーライス 29個
7.オムライス 24個
8.ナポリタン 21個
9.味噌ラーメン 20個
10.ピザ 20個
です。

まあ、親子丼とか、牛丼とか丼物をピックアップすればベストテン入りは確実ですが....
それにしても、ほか弁恐るべしですよね。
そして、ハンバーガーとコーラとフライドポテトのセットは悲惨ですよね。

さて一昨日は久しぶりに勉強会の後、T君と飲みに出ました。
勉強会はWEBを利用しての物でしたので、薬品会社の会議室で行われました。
必然的?に、お土産として和食の弁当が出ました。
その弁当を、"居酒屋二貝"に持ち込んで、糖質以外のわずかなメニューだけを、"選り食い"しました。
T君も同様でしたが、最後に薫り高い、"桜餅"に手を出そうとしましたので、必死に阻止しました。
その後は二貝の馬肉料理をメインに、私はジョニ黒を、T君は焼酎を、おいしくいただき、11時半にはタクシーを呼んで、おりこうさんに帰宅しました。

実は、今夜もT君と勉強会に出席です。
今夜も、おりこうさんな二人で終わればいいのですが....

運動不足のせいだと?

2014年02月21日 | 糖質制限食
患者さんに、肥満症ですと告げた時に、必ずと言っていいほど返ってくる言葉は、"私は運動不足だから....."というものです。
運動不足が、ただ単に肥満の言い訳になってしまっています。
私は、"運動は確かに健康に貢献しますが、それだけでは痩せません。相撲取りを見てごらんなさい。食事が大切なのです。"と説明します。
しかし、患者さん達は、なかなか食事を変えようとはしません。あくまでも運動を始めることで対処すると言い張ります。
ところが、それでうまく減量できた症例は、見たことがありませんし、そもそも成功体験を持っておられる方はごく一部ですし、実際に運動を始める方さえ極めて稀です。
甘い物は、できるだけ控えて(時々は許されるのだそうですが)、3食をバランス良く食べて、毎日運動をするという、刷り込まれた健康法に宗教のようにしがみつくのです。

煙草を吸う人達は皆、禁煙しない理由をスラスラと並べたてることが出来ます。
かつては私もそうでした。太る、イライラしてストレスがたまる、便秘する、間が持たない、酒量が上がる、などなどです。

炭水化物も煙草と同じく嗜好品であるので、やめない理由は、いくらでも見つけることができるのです。

私は単なる肥満症の方には、まずはユルユルでもいいから糖質制限を始めるように勧めます。
しかし、糖尿病の患者さんにはある程度厳しく接します。
糖質制限を実行して、内服なしで生きていくのか、あるいは従来の3食バランス良いと言われる食事を摂りながら、内服薬の処方、さらにはインスリン注射を受けるようになることを選択するのかを問うのです。
そして、この数十年間、後者の治療法が日本で長らく実施されてきたこと。
しかし、その結果として現在、糖尿病による合併症で、毎年1万6千人が新たに透析を開始せざるを得ないこと、3000名が失明していること、3000名が下肢切断を余儀なくされていることを伝えます。

ところが、それでも糖質制限を受け入れない患者さんもおられます。
ここにカルテがありますが、50代前半の男性で、名前をAさんとしておきましょうか。
Aさんとは、私が、その母親の主治医であることから、20年以上の付き合いです。
若い頃のAさんは精悍なスポーツマン体形で健康面では何の心配もありませんでした。
ところが40歳くらいから少しづつポッチャリとしてきて高脂血症が出現しました。
彼は運動でクリアーしますと宣言し、見事に成功させました。珍しい成功例です。
ところが、リバウンドからは逃れることができませんでした。
実は、彼は一滴の酒も飲めません。採血の時にアルコール綿で消毒すると、皮膚が真っ赤に染まります。アルコール代謝酵素を全く持たないのです。
そういうタイプの男性はスイーツに走る確率が非常に高いのです。Aさんもアイスクリームやケーキには目がありませんでした。
そして平成15年のことでしたが、狭心症の発作がAさんを襲います。
PTCA(カテーテルを挿れて冠状動脈を拡げる手技)を受けたAさんは以後、毎月一度、はせがわクリニックへ定期処方をもらいに来るようになりました。
平成17年に随時血糖値178という高血糖データが初めて出現しました。
この時もAさんは運動で対処するので妻には内緒にしてほしいと言われ、見事に減量に成功されました。
平成19年HbA1C:5.9、平成20年HbA1C:5.8と順調だったのですが、体形はリバウンドを繰り返し平成22年の暮れに、突然血糖値:316、HbA1C:8.9となります。
当時の私は未だ糖質制限を知りませんでしたので、とりあえずは低血糖の心配が殆ど無いDPP-4阻害薬を処方しました。
順調に改善していき23年の7月にはHbA1C5.7、空腹時血糖:128となりました。私が糖質制限を始めた頃です。
そこで糖質制限の理論を紹介し、DPP-4阻害薬を中止しました。しかし循環器系の薬は毎月取りに来ます。
2、3か月に1回のペースで血液検査をするのですが、HbA1Cは5.9、6.3、6.4、、6.8と悪化していきました。
そして昨年のクリスマスイブには、7.8となり、空腹時血糖も142となりました。
その間、糖質制限については、ずっと、その必要性を、口を酸っぱくして説き続けましたが、彼がスーパー糖質制限に参加してくることはありませんでした。

そして、今年になって、Aさんは一度もはせがわクリニックに来られていません。
循環器系の薬が切れているはずですので、転医された可能性が高いようです。
彼がどこで、どのような治療を受けているのか心配でなりません。

結局、彼がスーパー糖質制限に取り組むことはありませんでした。
自分のムンテラ(言葉による治療)の拙さを思い知らされました。