今朝の読売新聞に2面見開きで上記の記事が載りました。
本日が「世界糖尿病デー」だからだそうです。
日本糖尿病学会理事長の門脇孝氏と、日本糖尿病協会理事長の清野裕氏の写真が掲げられています。
目玉記事は、”糖尿病にならない7か条”でしょうか。
1.バランスのとれた食生活(総エネルギーと脂肪の摂取量に注意)
2.夜食をしない、間食をしない
3.アルコールはほどほどに
4.適正な体重の維持
5.毎日の食後の歩行
6.ストレスの解消
7.禁煙または節煙
相変わらずのバランス食推奨です。
ごく最近の日本人(江戸時代の後半以降)は、ご飯と一汁三菜という食事を摂ってきました。
その食事がバランスがとれているわけでも何でもなくて、もともとの日本人の風習にすぎなかったのです。
単なる風習に、科学的裏付けもなく、みんなが受け入れやすいという理由で、バランスがいいというスタンプを押してしまったのです。
これは、豚肉を食べてはいけないとか、ある期間は日没まで何一つ食べてはいけないなどという宗教的風習?と同等です。
さらに日本人は米を食べないと力がでないとか、朝から糖質を摂らないと脳が働かないなどの非科学的な迷信が追加されています。
夜食、間食をしないように指示していますが、糖質を摂取したリアクションである低血糖による空腹感が原因です。
ストレスの解消が指示されていますが、バランスのいい食事を摂取する人達は、毎日、必ず、数回の、
空腹を我慢するというストレスにさらされることが必定です。
適正な体重の維持をどうやって実現せよというのでしょうか。
バランスのいい食事と運動によって実現されるのであれば、言わずもがなではないでしょうか。
毎日の食後の歩行にいたっては、世迷い言という日本語さえ思い出してしまいます。
世迷い言とは実用日本語表現辞典によれば、”訳のわからないこと、馬鹿馬鹿しい言葉”とあります。
毎食後に散歩できる環境にある人は限りなく少ないという現実を、わざと無視しています。
そして、この7ヵ条全体が世迷い言であるようにも思えます。
さらに、禁煙または節煙を奨めるにいたっては、科学者、あるいは普通に日本語を使える人とはとても思えません。
喫煙は脳卒中や心筋梗塞(まとめて心血管イベントと呼びます)のリスクを高めます。
もともと心血管イベントのリスクが高い糖尿病の人達が喫煙することは、リスクが倍増するという理由で禁止されるのです。
喫煙が糖尿病を引き起こすわけではありません。
そして、この7ヵ条は、”糖尿病にならない7か条”です。
禁煙で糖尿病になるリスクが減らないのならば、7ヵ条に入れるべきでは無いということぐらいは、素人でも分かりそうなことです。
さらに最後の方で、ゾッとするような文章に出会いましたので、そのままアップします。
20代30代の肥満をともなう2型糖尿病の患者さんが非常に多くなっています。
この人達はこの先50年くらい治療を続ける必要があるのですが、初診で1年間治療を継続する人は2割ほどです。
医師の管理下にあれば食事や運動、新しい副作用の少ない薬などで血糖値をコントロールして合併症を抑えられるのに、これが放置されているのは非常に大きな問題です。
この先50年くらい治療を続ける必要がある
医師が目指すべき、”治癒させる”という目標を放棄しています。
糖尿病を不治の病とみなしており、この先50年ですから、死ぬまで医師のコントロール下で引っ張っていくつもりなのです。
初診で1年間治療を継続する人は2割ほどです。
人ごとですよね。この人は、何故8割もの人達がドロップアウトしていくのか考察したことさえ無いようです。
ただ単に、まじめな患者さんは2割しか居ないと思っているのでしょう。
現在のバランス食治療は、カロリー制限を伴いますので、患者さんは空腹を我慢することを強いられます。
このことこそが、ドロップアウトの最大の原因なのです。
まじめな2割の患者さん達も、思ったように体重が減らない時には、主治医に、カロリー過剰や運動不足を指摘されて
”スミマセン。もう少し頑張ります。”と、なんだか、罪人が悔い改める決意を表明するような態度をとるのです。
この繰り返しを1年間継続できる2割の人の方が異常でしょう。
さらに、この2割のまじめな患者さん達の将来も明るくはありません。
炭水化物という、糖尿人にとっての”毒”をバランスよく食べさせられるからです。
毒を食べるかぎりは、解毒剤である薬を飲んでも、合併症が防げないことは、この数十年間が証明しています。
医師の管理下にあれば食事や運動、新しい副作用の少ない薬などで血糖値をコントロールして合併症を抑えられるのに
糖尿病が原因で、毎年失明する3000人、新たに透析を開始する16000人、足の切断を余儀なくされる3000人、
この方々をなんと思っておられるのでしょうか。
全員が、不真面目な8割の患者さん達のなれの果てとでも思っていらっしゃるのでしょうか?
突然失明する人はいません。突然腎機能障害になる人もいません。突然足の切断が必要になる人もいません。
ほとんどの人は、医師の指導を受け、バランス食とカロリー制限にはげみ、運動を取り入れ、投薬され、やがてはインスリンを
注射された人達のなれの果てなのです。
”何を、胸張っとるんだっ!”と怒鳴りたくなります。
熊本弁だと、”世迷い言も、たいがいにせいよっ!”でしょうか。