古希からの田舎暮らし

古希近くなってから都市近郊に小さな家を建てて移り住む。田舎にとけこんでゆく日々の暮らしぶりをお伝えします。

『おとなになれなかった弟たちに……』

2013年05月30日 04時00分47秒 | 古希からの田舎暮らし 80歳から
 きのうのブログでふれた、俳優・米倉斉加年(1934年・昭和9年生れ)の描いた絵本『おとなになれなかった弟たちに……』の帯に、芥川賞作家の「李 カイ成」(1935年・昭和10年生れ)がこんな文を寄せています。写します。
 ※ 名前の「カイ」は漢字です。難しい字でどう出すのかわかりません。カタカナ書きします。

  
        少年よ ……           李 カイ成

 あの時代が、どんなにひもじいものだったか、ぼくらは知っている。
 けれども、この一冊の絵本にまさる少年哀歌はいったいどこに存在するだろう。弟のミルクを盗んでしまった少年よ、きみはその日以来、なんと罪深い人間になってしまったのか。
 終生、きみはこの原罪にこだわって生きつづける。ある日からのジャン・バルジャンのように。
 それにしても、きみはやさしい男だ。永遠に生長することをやめた弟たちへのきみの哀しみが、こんなに大きかったとは……


 1937年(昭和12年)生れのぼくには、胸にこたえる文です。あのひもじさを多少は体験した、同世代の子どもでしたから。空襲で親を失ったり焼け出された子どもたちの、過酷な体験とは比べられませんが。
 この絵本は、1983年(昭和58年・偕成社)に出版されてから、増刷されつづけ2011年で46刷。いまも読み継がれています。
  
 カラカラだった畑や山は、梅雨入りでホッと息をついています。六条大麦はそろそろ収穫の時期です。よく干して、時間をかけて煎り、麦茶にします。タマネギ、エンドウ、ソラマメ、もう少しするとジャガイモ。収穫がつづきます。道子さんの播いたキンゴマが、今年は順調に芽を出しています。
コメント
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