『梅雨よ梅雨 高松塚は カビカビカビ』
(つゆよつゆ たかまつづかは かびかびかび)
『薄暑には 酒の欲し欲し 肴欲し』
(はくしょには さけのほしほし さかなほし)
『夕立や 骨の髄まで ずぶ濡れに』
(ゆうだちや ほねのずいまで ずぶぬれに)
『雷鳴や 地響きに似て 太鼓鳴る』
(らいめいや じひびきににて たいこなる)
『青若葉 生駒の山の 空近し』
(あおわかば いこまのやまの そらちかし)
『雨と闇 川の向こうに 蛍飛ぶ』
(あめとやみ かわのむこうに ほたるとぶ)
『効き過ぎは 及ばざるが如し 冷房車』
(ききすぎは およばざるがごとし れいぼうしゃ)
『蛇苺 野の隅に生り 味渋し』
(へびいちご ののすみになり あじしぶし)
『くちなしの 一重に咲きし 白い花』
(くちなしの ひとえにさきし しろいはな)
『浴衣女 石鹸の匂い まだ消えず』
(ゆかたびと せっけんのにおい まだきえず)