『いつの間か 雨雲寄りて 秋の雨』
(いつのまか あまぐもよりて あきのあめ)
『今朝の雨 野分につながる 雨なるか』
(けさのあめ のわきにつながる あめなるか)
『名も知らぬ 野に咲く花に 秋景色』
(なもしらぬ のにさくはなに あきげしき)
『団栗を 預かって二年 取りに来て』
(どんぐりを あずかってにねん とりにきて)
『ドラフトの さわやか涙 秋の風』
(どらふとの さわやかなみだ あきのかぜ)
『秋時雨 生駒より追い 追われ来る』
(あきしぐれ いこまよりおい おわれくる)
『鉄道草 陸の運河に 舟も無し』
(てつどうぐさ りくのうんがに ふねもなし)
『電線の 椋鳥二羽は 番かや』
(でんせんの むくどりにわは つがいかや)
『花芒 川の畔に 風を呼ぶ』
(はなすすき かわのほとりに かぜをよぶ)
『何見ても 秋、秋、秋の 愁思かな』
(なにみても あき、あき、あきの しゅうしかな)