俺流俳句 「いちらくいちらく」

俳句で遊ぼ。

あなたも、優しくなれます。
          
          千秀

2007年10月16日 銀杏

2007年10月16日 | 俳句

2007年10月16日
秋夕日 孫の一つの お祝いに
(あきゆうひ まごのひとつの おいわいに)
4694 【季語】 秋夕日 【季節】 三秋

2007年10月16日
秋寒や 雨に曇りに 期待薄
(あきさむや あめにくもりに きたいうす)
4695 【季語】 秋寒 【季節】 晩秋

2007年10月16日
手足にも 袋付けたき 秋の夜
(てあしにも ふくろつけたき あきのよる)
4696 【季語】 秋の夜 【季節】 三秋

2007年10月16日
秋の日に 雲生まれ消え 風通る
(あきのひに くもうまれきえ かぜとおる)
4697 【季語】 秋の日 【季節】 三秋

2007年10月16日
神無月 もののけ多く 神よ戻れ
(かみなづき もののけおおく かみよもどれ)
4698 【季語】 神無月 【季節】 初冬

2007年10月16日
銀杏を 焼いて飲んで 落第点
(ぎんなんを やいてのんで らくだいてん)
4699 【季語】 銀杏 【季節】 晩秋

2007年10月16日
学び舎に 何故銀杏 銀杏や
(まなびやに なにゆえいちょう ぎんなんや)
4700 【季語】 銀杏 【季節】 晩秋

2007年10月16日
真澄鏡 秋月に換え 妹映せ
(ますかがみ あきづきにかえ いもうつせ)
4701 【季語】 秋月 【季節】 三秋

2007年10月16日
僕、私 自分も俺も 今や秋
(ぼく、わたし じぶんもおれも いまやあき)
4702 【季語】 秋 【季節】 三秋

2007年10月16日
唱歌で 鳴き声覚ゆ 秋の虫
(しょうかで なきごえおぼゆ あきのむし)
4703 【季語】 秋の虫 【季節】 三秋

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2007年10月15日 水引

2007年10月15日 | 俳句

2007年10月15日
身に沁むや 今日先達の 一周忌
(みにしむや きょうせんだつの いっしゅうき)
4684 【季語】 身に沁む 【季節】 三秋

2007年10月15日
凛として 一際高き 紫苑かな
(りんとして ひときわたかき しおんかな)
4685 【季語】 紫苑 【季節】 仲秋

2007年10月15日
涙腺の 日毎緩きや 秋の空
(るいせんの ひごとゆるきや あきのそら)
4686 【季語】 秋の空 【季節】 三秋

2007年10月15日
木犀の 群れ咲き乱れ 暮れ泥む
(もくせいの むれさきみだれ くれなずむ)
4687 【季語】 木犀 【季節】 晩秋

2007年10月15日
一面の 秋桜畑 碧き風
(いちめんの こすもすばたけ あおきかぜ)
4688 【季語】 秋桜 【季節】 仲秋

2007年10月15日
秋風の 明日に向かって 吹き抜けし
(あきかぜの あすにむかって ふきぬけし)
4689 【季語】 秋風 【季節】 三秋

2007年10月15日
空翔る 雲になりたや 秋の風
(そらかける くもになりたや あきのかぜ)
4690 【季語】 秋の風 【季節】 三秋

2007年10月15日
銀色の 芒の海で 泳ぐ夢
(ぎんいろの すすきのうみで およぐゆめ)
4691 【季語】 芒 【季節】 三秋

2007年10月15日
孫に妹 娘に嫁に 天高し
(まごにいも むすめによめに てんたかし)
4692 【季語】 天高し 【季節】 三秋

2007年10月15日
水引の 百の花の 煌いて
(みずひきの ひゃくのはなの きらめいて)
4693 【季語】 水引 【季節】 初秋

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2007年10月14日 縄電車

2007年10月14日 | 俳句

生国の 近ければ今 竹の春
(しょうごくの ちかければいま たけのはる)
4673 【季語】 竹の春 【季節】 仲秋


赤とんぼ 大和心の むずかしさ
(あかとんぼ やまとごころの むずかしさ)
4674 【季語】 赤とんぼ 【季節】 三秋


仏の眼 菊花開く候 奈良元気
(ほとけのめ きくかひらくこう ならげんき)
4675 【季語】 菊 【季節】 三秋


秋晴れや 野ざらしの身に 風染みて
(あきばれや のざらしのみに かぜしみて)
4676 【季語】 秋晴れ 【季節】 三秋


縄電車 各駅停車 秋の木々
(なわでんしゃ かくえきていしゃ あきのきぎ)
4677 【季語】 秋 【季節】 三秋


指切の 小指の思い出 秋高し
(ゆびきりの こゆびのおもいで あきたかし)
4678 【季語】 秋高し 【季節】 三秋


妹唄う 大きな栗の 木の下で
(いもうたう おおきなくりの きのしたで)
4679 【季語】 栗 【季節】 晩秋


欲しきもの 君の心や 秋の空
(ほしきもの きみのこころや あきのそら)
4680 【季語】 秋の空 【季節】 三秋


女郎花 畦に寝そべり 添寝せん
(おみなえし あぜにねそべり そいねせん)
4681 【季語】 女郎花 【季節】 初秋


夕茜 さびしくやさしく 暮れの秋
(ゆうあかね さびしくやさしく くれのあき)
4682 【季語】 暮れの秋 【季節】 晩秋


澄ます耳 秋の色付き もう少し
(すますみみ あきのいろづき もうすこし)
4683 【季語】 秋 【季節】 三秋


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コスモス畑

2007年10月13日 | 俳句

『秋晴れは 碧空澄んで 雲も無し』
(あきばれは へきくうすんで くももなし)

『見上げれば 雲なき空に 赤とんぼ』
(みあげれば くもなきそらに あかとんぼ)

『吾亦紅 いつか咲くらん ひそやかに』
(われもこう いつかさくらん ひそやかに)

『目を閉じて 妹待つ我に 秋の風』
(めをとじて いもまつわれに あきのかぜ)

『秋の宵 語呂もなつかし 二日酔い』
(あきのよい ごろもなつかし ふつかよい)

『鴨来る 池の向こうに カラス群れ』
(かもきたる いけのむこうに からすむれ)

『秋遠足 小学生の 湧き出でし』
(あきえんそく しょうがくせいの わきいでし)

『今日もまた 列車遅れて 秋の宵』
(きょうもまた れっしゃおくれて あきのよい)

『二歩、三歩 増すや元気や 秋の朝』
(にほ、さんぽ ますやげんきや あきのあさ)

『満開の コスモス畑に 白一輪』
(まんかいの こすもすばたけに しろいちりん)
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新月

2007年10月12日 | 俳句

『秋風や 汗疹の跡の また痒し』
(あきかぜや あせものあとの またかゆし)

『外人の 乗る自転車に 秋止まる』
(がいじんの のるじてんしゃに あきとまる)

『秋の野に 花鳥諷詠 老いて尚』
(あきののに かちょうふうえい おいてなお)

『秋の雨 おニューの傘の 水捌け良し』
(あきのあめ おにゅーのかさの みずはけよし)

『相撲取り 気の小さきは 如何せん』
(すもうとり きのちいさきは いかんせん)

『恥ずかしげ 生駒を越えて 秋の雲』
(はずかしげ いこまをこえて あきのくも)

『撫子に 涙の露の 煌めいて』
(なでしこに なみだのつゆの きらめいて)

『新月に 欲しきものは 望なりき』
(しんげつに ほっしきものは もちなりき)

『不覚にも 秋の朝寝や 嫁の留守』
(ふかくにも あきのあさねや よめのるす)

『秋風の 啼く声のして 芒原』
(あきかぜの なくこえのして すすきはら)

『青臭く なす術なきや 唐辛子』
(あおくさく なすすべなきや とうがらし)

『秋風と 膝の痛さを 交換す』
(あきかぜと ひざのいたさを こうかんす)

『ふるさとの 秋四十五の 風の染む』
(ふるさとの あきしじゅうごの かぜのしむ)
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紫苑(しおん)

2007年10月11日 | 俳句

『似たる女 座りて惑う 秋電車』
(にたるひと すわりてまどう あきでんしゃ)

『一駅を わざわざ座る 秋の女』
(ひとえきを わざわざすわる あきのひと)

『保育所の 四隅に咲くや 曼珠沙華』
(ほいくしょの よすみにさくや まんじゅしゃげ)

『天高く 澄み渡る空に 腹肥ゆる』
(てんたかく すみわたるそらに はらこゆる)

『忘れまい 紫光の星の 紫苑かな』
(わすれまい しこうのほしの しおんかな)

『秋鯖や 昨日の残り 嫁喰らう』
(あきさばや きのうののこり よめくらう)

『山の上 秋の七草 右左』
(やまのうえ あきのななくさ みぎひだり)

『秋シャワー 温水加減 難しく』
(あきしゃわー おんすいかげん むずかしく)

『秋晴れの 下を歩けば 忍足』
(あきばれの したをあるけば しのびあし)

『桐一葉 考えも無く 散りにけり』
(きりひとは かんがえもなく ちりにけり)

『何事も する事無きや 秋の暮』
(なにごとも することなきや あきのくれ)

『啼く妹の 瞳の中に 赤まんま』
(なくいもの ひとみのなかに あかまんま)

『風の啼く ゴウゴウゴウと 秋風の』
(かぜのなく ごうごうごうと あきかぜの)

『赤とんぼ どうする明日も ないじゃなし』
(あかとんぼ どうするあすも ないじゃなし)
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秋花

2007年10月10日 | 俳句

『道々に 咲いて引かれて 曼珠沙華』
(みちみちに さいてひかれて まんじゅしゃげ)

『風道の 空の碧さよ 秋桜』
(かざみちの そらのあおさよ あきざくら)

『萩と露 人恋しくて 新薬師』
(はぎとつゆ ひとこいしくて しんやくし)

『ひそやかに ただひそやかに 吾亦紅』
(ひそやかに ただひそやかに われもこう)

『ほろろ散り ほろほろ零る 女郎花』
(ほろろちり ほろほろこぼる おみなえし)

『秋薊 床屋の壁に ひとり咲く』
(あきあざみ とこやのかべに ひとりさく)

『葉鶏頭 花より色あり 華もあり』
(はげいとう はなよりいろあり はなもあり)

『朝焼けに 猫じゃらしの 風にゆれ』
(あさやけに ねこじゃらしの かぜにゆれ)

『金木犀 中学校歌 忘れたり』
(きんもくせい ちゅうがくこうか わすれたり)

『白菊に 勝るものなく 華やぎて』
(しらぎくに まさるものなく はなやぎて)
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虚空清浄

2007年10月09日 | 俳句

『藁塚の 倒れるままに そのままに』
(わらづかの たおれるままに そのままに)

『仲良くば 大きな栗の 木の下で』
(なかよくば おおきなくりの きのしたで)

『星流る 願いは一つ 言えぬ間に』
(ほしながる ねがいはひとつ いえぬまに)

『彼の岸に 風に靡くは 吾亦紅』
(かのきしに かぜになびくは われもこう)

『風ざわり 手触りも良し 猫じゃらし』
(かぜざわり てざわりもよし ねこじゃらし)

『白髪の 寝癖の悪き 寝覚草』
(はくはつの ねぐせのわるき ねざめそう)

『お二階は 運動会や 足の鳴る』
(おにかいは うんどうかいや あしのなる)

『体育の日 落着かぬ日や 空に似て』
(たいくのひ おちつかぬひや そらににて)

『女郎花 男郎花にも 白露の』
(おみなえし おとこえしも しらつゆの)

『秋桜も 宇宙の芯も 気なるかな』
(こすもすも うちゅうのしんも きなるかな)

『今日もまた 待ち人来たる 秋の夢』
(きょうもまた まちびときたる あきのゆめ)

『虚空なる 秋空の下 清浄』
(こくうなる あきぞらのした せいじょう)
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恋病

2007年10月08日 | 俳句

『十月の 爽やかな風 背に受けて』
(じゅうがつの さわやかなかぜ せにうけて)

『飛鳥川 ポツリポツリと 彼岸花』
(あすかがわ ぽつりぽつりと ひがんばな)

『曼珠沙華 橘寺へ 群れ咲きて』
(まんじゅしゃげ たちばなでらへ むれさきて)

『鉄橋を 潜りて秋の 川下り』
(てっきょうを くぐりてあきの かわくだり)

『柳散る 一葉一葉に 思い馳せ』
(やなぎちる ひとはひとはに おもいはせ)

『秋の空 妹は見ぬかや 我が夢を』
(あきのそら いもはみぬかや わがゆめを)

『恋病 微笑み揺れる 秋桜よ』
(こいやまい ほほえみゆれる こすもすよ)

『恋い燃えて ながむる志賀の 秋夕日』
(こいもえて ながむるしかの あきゆうひ)

『夕焼けも 朝焼けもよし 秋の陽よ』
(ゆうやけも あさやけもよし あきのひよ)

『かゆ痒し 秋の汗疹に 苛立ちぬ』
(かゆかゆし あきのあせもに いらだちぬ)

『秋暑し 他人に言われて なお暑し』
(あきあつし ひとにいわれて なおあつし)

『露の世に 始めと終わり ありにけり』
(つゆのよに はじめとおわり ありにけり)
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案山子

2007年10月07日 | 俳句

『いみじくも 御用の済みし 案山子かな』
(いみじくも ごようのすみし かかしかな)

『脳味噌も 心も勇気も 無い案山子』
(のうみそも こころもゆうきも ないかかし)

『何よりも 雀が友の 案山子かな』
(なによりも すずめがともの かかしかな)

『嫌われし 秋の白鷺 糞と音』
(きらわれし あきのしらさぎ ふんとおと)

『秋深し 隣に座る 嫁が居て』
(あきふかし となりにすわる よめがいて)

『秋深み 一期一会の あの人を』
(あきふかみ いちごいちえの あのひとを)

『虫の音の 鳴き真似うまし 妹の夢』
(むしのねの なきまねうまし いものゆめ)

『かくれんぼ もういいよ、もう 秋なんだ』
(かくれんぼ もういいよ、もう あきなんだ)

『秋風の 胸の傷穴 沁みにけり』
(あきかぜの むねのきずあな しみにけり)

『過ぎし日の 同窓の顔 秋深し』
(すぎしひの どうそうのかお あきふかし)

『この道の 先に何ある 秋の暮』
(このみちの さきになにある あきのくれ)

『菊の香に 囲まれ照れる お地蔵さん』
(きくのかに かこまれてれる おじぞうさん)
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秋の月

2007年10月06日 | 俳句

『秋電車 無理矢理寝てる 六十代』
(あきでんしゃ むりやりねてる ろくじゅうだい)

『人生は あてのない旅 秋鴉』
(じんせいは あてのないたび あきがらす)

『そぞろ寒 まわり気にして 懐手』
(そぞろさむ まわりきにして ふところで)

『野菊咲く 風の筋にや 墓のあり』
(のぎくさく ふうのすじにや はかのあり)

『はぐれ雲 游々自適 秋の雲』
(はぐれぐも ゆう々じてき あきのくも)

『車窓より 眺める夜景 秋の暮』
(しゃそうより ながめるやけい あきのくれ)

『新聞に 知りたる名あり 秋の暮』
(しんぶんに しりたるなあり あきのくれ)

『活きてまた 逢えるやと聞く 秋風に』
(いきてまた あえるやときく あきかぜに)

『稲雀 鳩に鴉に 逃げもせで』
(いなすずめ はとにからすに にげもせで)

『秋日落ち 窓には月と 明星と』
(あきひおち まどにはつきと みょうじょうと)

『熱ありて 知る秋風の 心地よさ』
(ねつありて しるあきかぜの ここちよさ)

『曇天の 雲透かして見る 秋の月』
(どんてんの くもすかしてみる あきのつき)
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秋の寝覚め

2007年10月05日 | 俳句

『肌寒き 熱あるゆえか 肌寒き』
(はださむき ねつあるゆえか はださむき)

『六十に 二月となる 夜寒かな』
(ろくじゅうに ふたつきとなる よさむかな)

『腹上で 遊ばれている 秋の夢』
(ふくじょうで あそばれている あきのゆめ)

『熱っぽい 秋の寝覚めの 鬱々と』
(ねつっぽい あきのねざめの うつうつと)

『ひょろひょろと 一首出たり 女郎花』
(ひょろひょろと ひとくびでたり おみなえし)

『秋草の 盛りを遊ぶ 花野かな』
(あきくさの さかりをあそぶ はなのかな)

『やわらかき 風を運んで 秋の蝶』
(やわらかき かぜをはこんで あきのちょう)

『思い出の あの木蔭にも 秋の色』
(おもいでの あのこかげにも あきのいろ)

『雨音に 耳を澄ませば 秋の声』
(あまおとに みみをすませば あきのこえ)

『秋雨に 濡れるがままに 身を任せ』
(あきさめに ぬれるがままに みをまかせ)

『秋の夕 心やさしき 妹想う』
(あきのゆう こころやさしき いもおもう)
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花芒

2007年10月04日 | 俳句

『いつの間か 雨雲寄りて 秋の雨』
(いつのまか あまぐもよりて あきのあめ)

『今朝の雨 野分につながる 雨なるか』
(けさのあめ のわきにつながる あめなるか)

『名も知らぬ 野に咲く花に 秋景色』
(なもしらぬ のにさくはなに あきげしき)

『団栗を 預かって二年 取りに来て』
(どんぐりを あずかってにねん とりにきて)

『ドラフトの さわやか涙 秋の風』
(どらふとの さわやかなみだ あきのかぜ)

『秋時雨 生駒より追い 追われ来る』
(あきしぐれ いこまよりおい おわれくる)

『鉄道草 陸の運河に 舟も無し』
(てつどうぐさ りくのうんがに ふねもなし)

『電線の 椋鳥二羽は 番かや』
(でんせんの むくどりにわは つがいかや)

『花芒 川の畔に 風を呼ぶ』
(はなすすき かわのほとりに かぜをよぶ)

『何見ても 秋、秋、秋の 愁思かな』
(なにみても あき、あき、あきの しゅうしかな)
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菊人形

2007年10月03日 | 俳句

『何でだろ 秋の汗疹の いと痒し』
(なんでだろ あきのあせもの いとかゆし)

『化粧する 女子高生に 涼新た』
(けしょうする じょしこうせいに りょうあらた)

『秋の午後 足拡げねば 良い子なり』
(あきのごご あしひろげねば よいこなり)

『菊人形 噂も聞かず 枚方の』
(きくにんぎょう うわさもきかず ひらかたの)

『十月や 設定温度 やや高め』
(じゅうがつや せっていおんど ややたかめ)

『カーテンを 揺らして風の 冷ややかに』
(かーてんを ゆらしてかぜの ひややかに)

『野菊咲く うすむらさきに 群れて咲く』
(のぎくさく うすむらさきに むれてさく)

『菊の香を もとめて奈良を 右左』
(きくのかを もとめてならを みぎひだり)

『秋風の 車内をすっと 吹き抜けぬ』
(あきかぜの しゃないをすっと ふきぬけぬ)

『真南へ 秋の川鵜の 飛び去れり』
(まみなみへ あきのかわうの とびされり)

『神無月 神に隠れて 乾杯を』
(かんなづき かみにかくれて かんぱいを)
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赤い羽根

2007年10月02日 | 俳句

早いもので、もう十月ですね。

『気が付けば 十月となり 風変わる』
(きがつけば じゅうがつとなり かぜかわる)

『しろがねの 黄金に暮るる 芒原』
(しろがねの こがねにくるる すすきはら)

『楠の木を 見上げれば空に 赤とんぼ』
(くすのきを みあげればそらに あかとんぼ)

『ひな壇の これ見よがしの 赤い羽根』
(ひなだんの これみよがしの あかいはね)

『好きなれば 毎日でも良し 豆腐の日』
(すきなれば まいにちでもよし とうふのひ)

『秋鯖を 美味しと言えば 今日もかな』
(あきさばを おいしといえば きょうもかな)

『川下り うす紅葉より 妹の顔』
(かわくだり うすもみじより いものかお)

『同窓の 便りなつかし 花野路』
(どうそうの たよりなつかし はなのみち)

『行く先を 案内するや 鬼やんま』
(ゆくさきを あんないするや おにやんま)

『秋の川 甲羅干しの亀 欠伸する』
(あきのかわ こうらぼしのかめ あくびする)
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