墓掃除
盂蘭盆を迎える最初の行事は墓掃除である。
8月7日までに済ませるのが習わしである。
諸事の都合で今年は8日に行った。
1日遅れた分、念入りに行った。

盂蘭盆を迎える最初の行事は墓掃除である。
8月7日までに済ませるのが習わしである。
諸事の都合で今年は8日に行った。
1日遅れた分、念入りに行った。

横浜物語
妻の郷、信州の方言「ずくなし」は不精者の意である。
妻に言わせると、僕は「ずくなし男」であった。
妻は「運転免許は取らない、家事はしない、スポーツはしない」と数え上げてから「何をやってもブキでヘマだからやってもらわない方が気楽」ともいった。
肝臓の機能に異常が出てからも妻は良く働いて、僕を自由気儘にしてくれ、僕はそれに甘えてしまった。
病状が進むと流石に妻の動きは目に見えて鈍くなった。
仕方なく僕に任せるが、釘を打つ代わりに指をつぶし、枝を払うつもりで足を切る、妻の憂鬱は一層深くなった。
「パパが一人になったらどうするのかなァ」としみじみ云うものだから、僕もなんだか悲しくなり「俺を一人置いて行くと承知しないぞ」と威した。
妻が逝き、ガラーンとした家にポツネンとしていると、失ったものの大きさが、寂しさに変わって、押しつぶすように迫って来る。
もう、手足を動かすのも億劫で、三度の食事が二度になり一度になったりして、僕も早く妻のもとへ行きたい、と涙ばかり流している初老の男になっていった。
心配する息子夫婦や、親戚、近隣のかたがたの気遣い、心配り、優しさに支えられ、僕は何とか生きている。
見かねた妻が。時折耳の奥でハッパかけてくる。