雪が降ると野鳥が山から下りて来る。
秋に野鳥ように収穫した枝柿を、雪が積もった石灯篭の傘の上に置いて、家の中から観察した。
ひよどりが近くの木立から様子をうかがっているけれど警戒を解かない、こっちが根負けしてしまった。
夕刻間際に近寄って確認したけれど、啄ばんだ形跡も足跡もない。
子供の頃、柿を餌に野鳥をおびき寄せ、簡単な仕掛けの括り罠を作って野鳥を捕まえた。
しかし簡単には捕れない、野鳥の気持になって考え、工夫した。
野鳥たちは60年も昔のことを今も覚えているのだろう。
「あの人間が関わった餌には近づかない方がいいぞ」