キバラモクメキリガはヤガ科の蛾です。たぶん,これからご紹介する昆虫はそれでしょう。
調べていてわかったのは,すこぶる多食性の昆虫であるということです。たくさん食べるという意味での多食,たくさんの種類の植物を餌とするという意味での多食,この両方が当てはまります。それだけ,環境への適応性が大きくて,たくましいというわけです。
食草・食樹として例示されていたのは次のものです。
エノキ,ナシ,サクラ,エンドウ,エニシダ,タケニグサ,イタドリ,ギシギシ,ゴボウ,キクイモ,タバコ,クヌギ,……
この幼虫を見たのは,我が家のスダチの木でした。柑橘類も食べる!
鮮やかな緑のからだで,頭から肛門に向かって,白い線がくっきりと走っています。下の葉に,大きめの糞が3粒載っていました。
翌朝見ると,そこから移動して,すぐ近くの葉でからだを曲げてじっとしていました。これから活動開始というところでしょうか。
先日ジャコウアゲハの棲息地を管理していて,たまたま同じ種の幼虫がウマノスズクサの葉を食べているのを見かけました。これまでも,緑色の幼虫がこの草を食べるのを目撃していたのですが,あれはキハラモクメキリガだったのでしょうか。
ふしぎというか,おもしろいなあと思うのは,ウマノスズクサに含まれる有毒成分アリストロキア酸に影響をまったく受けないのか,という点です。ぐいぐい食べていることから見ると,どうやら大丈夫なようです。ジャコウアゲハ以外にも,好物(?)にする虫がいるのですね。
この辺りもたくましさの表れなのかもしれません。大したものです。