いつものウォーキング道。田植えが進む水田に沿って,ずっと向こうまで真っ直ぐに続いています。その道端は草が刈られたり,刈られていなかったり。草はすぐに成長するので,刈られていても10cm程度にはなっています。
歩いていて,ふと,スイバとギシギシが目に入りました。そして「ベニシジミのことを忘れていたなあ」と思い出しました。この辺りは春先,ベニシジミをよく見かけたところ。いずれ,食草であるスイバとギシギシにいるベニシジミの幼虫を探してみようと思ったのでした。たくさん成虫がいたのだから,たぶん,苦労しなくても見つかるだろうという予感がありました。
探すめあては食痕の有無です。円に近いごく小さな穴がぽっかり開いた葉がたくさんありました。裏にいたのはハバチ(オオコシアカハバチ)の幼虫でした。あちこちで見つかりました。
ベニシジミの食痕は,カタバミを食するヤマトシジミの例から想像すれば,表皮が残っていたり,かたちがもっと大きく大胆であったりする筈。そんな根拠を頼りに探すと,ちゃんと見つかりました。体長が18mm。終齢幼虫でしょう。
葉とそっくりな保護色をしているので,ちょっと見つかりにくいだけで,目が慣れると,複数見つかりました。小さい幼虫もいます。タイミングよくウンコをしました。
別の株で,大きな幼虫がまた見つかりました。
それにしても,葉の色となんと似ていることでしょう。
削るようにして葉を食べるので,葉裏の薄皮(表皮)が残ります。この食痕こそ,ベニシジミの存在を示すものなのです。
幼虫を持ち帰って,スイバにのせて観察することにしました。これだけの個体があれば,羽化までの変化を見届けることができるでしょう。