アゲハの庭園にヤブキリの幼虫が一匹棲みついています。
この日は,ホトトギスの葉の上でその長い触覚を誇示して見せてくれていました。日差しを浴びて,なんとも気持ちよさそう。触覚の長さは体長の2倍はあるように見えます。これの探知能力は立派なものなのでしょう。敵やら仲間やら,さらには餌場の環境をとらえるのに,見事なアンテナ役を発揮しているはずです。
翌朝は,隣りのレモンの木で見かけました。
わたしが近づいても,気づいていない様子。「そっとそっと近寄って,感づかれないように!」というのが,撮影の鉄則です。
撮っているとき,肛門からプクッと褐色のモノが見えかけました。「ははーん,排泄だな」と思い,その瞬間を待ちました。すぐにウンコが見えてきました。水分を含んだウンコは肛門をあっさり離れて,落ちていきました。
ホトトギスやらレモンやらの柔らかい若葉は格好の餌なのでしょう。見ても,手で触れても瑞々しいばかり。それは人間にとっても,ヤブキリにとっても同じような見え方,触感だと思われます。もちろん,ヤブキリ語・ヤブキリ感覚ではありますが。
翌々日の早朝。またホトトギスに戻っていました。それも,たくさんの葉の間に入り込んでいました。わたしの目を誤魔化すことはできませんでしたが,外敵の目にはなかなかとまらないでしょう。緑の保護色は,身を守るなんとも巧みな策です。