自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

ジャコウアゲハ観察記(その301)

2014-05-16 | ジャコウアゲハ

ジャコウアゲハの棲息地を一括して管理していると,たいへん貴重な生態資料が手に入ります。茎が巻き付いて登っていくように竹を立てています。その代わり,自分でこの区域について,草刈りも含め維持管理する約束を所有者と交わしているのです。

これまで以上にいつでも自由に足を踏み入れて,観察できます。それだけに,おもしろい事実が見えてきます。

今冬は蛹がいたって少なかったので,産卵数に影響が出ないか心配していたのですが,結構,卵が見つかるのでヤレヤレです。その卵を観察していて見えた事実をすこしご紹介しましょう。

その1。狭い葉に卵がぎゅうぎゅう詰めになっている例です。これまでに,これだけ密度の高い産卵風景を見たことがありません。成虫一頭が産んだのでしょうか,それとも複数の成虫がかかわっているのでしょうか。

 


その2。ここにも,卵が重なって産み付けられた“二段団子” の例がありました。

 


もう一つありました。

 


上写真中,左から5番目の卵に小さなハエが付いています。そこにピントを合わせて撮ったのが下写真です。


これは,どうやら寄生バチのようです。卵の直径が1mmですから,その大きさ(小ささ)が手に取るように理解できます。

自然界には,驚くような話題が詰まっています。