過日の夕刻,ミュージアム・サポートのFさん一家がマミズクラゲを持って来られました。市内の池で大発生しているので,それを容器に入れて届けてくださったのです。
マミズクラゲは淡水性クラゲで,まだ謎に包まれていることが多く,ふしぎな生きものとして知られています。ある池に突然出現するメカニズムもよくわかっていないし,特定の池に毎年発生するわけではない理由も未解明です。人間の知が及ばない世界がいくらでもあるという例の1つです。
わたしはこれまで二度観察する機会に恵まれました。いずれも子どもが報告してくれたものでした。2回目のときは管理職で,放課後知らせてくれた子どもに案内してもらって,出かけて行きました。夏でした。そこはいかにもプランクトンが発生しているらしい,多少濁った池で,どっさりクラゲがいました。水中のクラゲにピントを合わせて水面上から写すってなんとむずかしいこと! 水中に本体を入れて撮れるようなカメラはまだ発売されていないときでした。
この日にクラゲを見たとき,パッとそのときの経験がよみがえってきたのでした。
受け取って,スタッフがさっそく展示準備をしました。
翌日,池に出かけたかったのですが,あいにく雨で中止。その翌日もあいにくの天気。雨がまだ落ちていない時間帯に行ってみました。結果は一匹も見つかりませんでした。ちょうど釣り人があったので聞いてみると,雨で水かさが3mは増えていて,ふだんは澄んでいる水が濁っていることがわかりました。環境変化がクラゲになんらかの影響を及ぼしたようです。
結局,晴れた日に改めて出直したほうがよさそうと判断。なんとか,池にいるクラゲを目撃したいと思っているのですが。