「ははーん,近く蛹になるな」と思ったとおり,翌日の夕方,別の葉に移動して蛹化に移る準備をしていました。
からだは下向き。これはどんな意味があるのでしょうか。体長はいくぶん小さくなっていて35mm。葉の表側にいて,横の葉を寄せて糸でくっ付けたあとでした。その辺りを見ると,表面には細い糸がびっしり! 腹端辺りには絹糸が3本ありました。それぞれが極細の糸のより合わせなのです。それは,葉を曲げて身を潜める空間をつくるためのしごとなのでしょう。
糸を拡大して撮りました。これはたいへんな作業だと想像がつきます。
夜,そっと見ると,からだは上向きになっていました。そして,腹端先には糸が! ということは,下向きになっていたのは糸を付ける作業のためだったのです。
翌朝見ると,右側から葉が1枚寄せられ,さらに本体の葉にはさらに強力な糸が2本増えていて葉の端が引き寄せられていました。結果,葉には身を潜めるための窪みができました。細い糸が葉端を引き寄せるって,考えればふしぎ! 予想なのですが,糸が乾くと収縮するので,その力で自然と寄っていくのかもしれません。
頭部付近の糸を見ると……。丹念な仕上げ方が伝わってきます。
一方,腹端側,つまり下方の糸を見ると……。ていねいに仕上げたものです。この時点で体長は30mm。昨夕より5mm縮まっています。前蛹段階なのでしょう。
夜見ると,葉の表面がずいぶん白っぽくなっていました。絹糸が乾いて白く見えるようになったのでしょう。たぶん。
どの糸も幼虫が付けたものです。スゴイ!
初めて見る変化には,「ほっ,ほーっ!」の驚きと発見がつきものです。