自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

イノコズチの葉と昆虫(3)

2016-10-29 | 昆虫と花

(前回からのつづき)

だって,葉を見たら,あったはずの葉がなくなっていたのですから。おかしいなと思いながら,地面を探しました。そしたら,落ちていたのです。しかも,前と違って葉の縁が閉じ合わされ,中が見えにくい状態です。イモムシのしわざです。主脈を食べていたのは,食いちぎって葉を落とすためだったというわけです。さながらオトシブミ!


そのことがわかってきて,またしばらくして見ると,今度は完全に閉じられていました。これにはびっくり。イモムシは,葉が枯れることを承知で身を潜めて蛹になろうとしているのでしょう。


「それなら,他にも同じような葉が地面にあるだろうな」と思い,探すと,あったー! それも,いくつも!


1つだけ開けて中を見てみました。思ったとおり,イモムシがいました,いました。それも,頭部を内側にして丸まって! 生々しい糞もあります。やはり,ここで蛹になると思われます。写真の幼虫は,この後すぐ動き始めました。申し訳ないことをしました。


そうすると,羽化はいつ頃になるのでしょうか。今秋? それとも,それ以降? これは成虫への道を探る値打ちがありそうです。

正体を調べていくと,どうやらマエウスキノメイガのようです。  

 


ルリタテハ,卵から羽化まで(19)

2016-10-29 | ルリタテハ

どの個体も羽化済みだとばかり思っていたら,あと1頭見逃していました。地面に落ち,翅の一部が傷んだ状態だったので,飛べないまま。「うーん,これは気の毒に」。そう思ってみても,どうしようもなし。


画像記録だけは残しておこうと思い,頭部辺りを接写することに。トラブルのせいで動きの止まったいのちを撮るのはちょっと気が引けるのですが……。

からだを覆う毛が目を引き付けます。紺青が鮮やかに色を放っています。「これが瑠璃かぁ」と感じ入ります。


もっと近づくと,複眼の毛も確認できます。よくよく見ると,個眼も。


前方から見ると,お椀状に膨らむ眼がこの生きものにとってどれだけ大事な意味を持つものか,想像がつきます。


ルリタテハの気持ちに近づこうと思えば,このアングルがぴったりです。


胴部分を見ると,毛の覆われ方のスゴイこと!


雨に打たれても,少々の水滴が襲って来ようが,なにかが接触しようが,これだけの毛があれば,対策がじゅうぶんといったところでしょう。このしくみが,生き延び戦術の大きな要素になっていることは,一目瞭然です。