自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

イノコズチと訪花昆虫たち(1)

2016-10-11 | 昆虫と花

イノコズチは情報によっては“イノコヅチ”と表記されています。表記原則に従うと,“ズチ”でよいようです。漢字で書くと“猪子槌” 。茎の膨れた節がイノシシのかかとの形状に似ていることから付けられたとか。

8月から9月にかけて開花。花が咲くといっても,じつに地味な花でふつうは気にとめないでしょう。それが熟して,引っ付き虫になるのはご存知のとおりです。わたしは小さな頃からずいぶん引っ付かれてきたので,思い出深い植物です。それが庭に生えて根を張って,毎年伸びてきます。とにかく頑固な根をもった多年草なので,退治するのはたいへんです。「伸びてきたな」と思いながらも,放っておいたら,このところの雨でぐんぐん成長。咲いた花に結構昆虫が訪れているので,観察用にと思ってそのままにしています。

小さな花には,それなりに小さな昆虫が訪れるのが常。イノコズチもそうです。なにしろ,花粉も蜜も,その絶対量といったら限りなくわずかなのですから。

訪花昆虫で目立つのがホソヒラタアブです。足場をしっかり確保して花粉を舐めていました。


嗅覚が発達しているので,見事に花から花へと飛び回ります。 


お馴染みのツマグロキンバエも来ました。 

 
シロオビノメイガも吸蜜中でした。昼間から活動するのだそうです。


ハナアブのなかまと思われます。 アリスアブでしょうか。 


熱心に口吻を伸ばして餌を口にしている様子。 

 


ハチに似たからだは擬態なのでしょうか。花に関心を示している様子からみると,ハナアブのなかまのように見えます。もしかすると,ムツボシハチモドキハナアブだったかも。惜しくも胸部の背中側を確かめることができませんでした。 

 
イノコズチには,まだまだ物語が生まれてきますよ。