自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

マンサク,今(24)

2018-02-26 | マンサク

タネバエのなかまがいました。花にとても関心があるようです。 

 

と思っていたら,やはりそうでした。花に入って行きました。 

 

口吻を葯にペタペタ。これはもう花粉を舐めているまさにその現場です。 

 

もっと近づいてみようと思って,どんどん近づきました。

 

ここまで近寄ったのですが,花弁が視野を遮ってしまいました。残念! 

 

花から花へと渡っているうちに,からだには花粉が付着。花の作戦はうまくいっているようです。

 


セツブンソウの受粉方法

2018-02-26 | 植物

セツブンソウのふしぎの一つに,受粉方法があります。

 

2月から3月にかけ群落を形成して開花するほどなのに,ふつう昆虫が訪れる気配がしません。他家受粉なのか自家受粉なのか,よくわかりません。ネットで調べると,ハナバエが吸蜜に訪れている一コマがありました。これを撮影した人は大したものです。

解説をいくつか読むと,自家受粉であるとか,ときには風を頼って送粉しているとか,昆虫が送粉の手助けをしているとか,じつに曖昧模糊とした説明が続いています。人工授粉する場合は,異なる株同士でやれば結実率が高まるそうです。これは実際にそのようにして殖やしている人がいるという根拠に基づいた話なのでしょう。したがって,信頼してよさそうです。

 

基本的には,近親交配を避けるのが種族維持の原則ですから,人工授粉のこの策は妥当でしょう。虫媒花という見方はごく自然です。萼片,花弁,蕊ともに地味ながら有色です。明らかに昆虫を念頭に置いたアピール策と解釈してよいでしょう。

しかし,風媒花としてはどうなのでしょうか。なんとなく腑に落ちません。理屈としては成り立つ話であれ,確かめようがないからです。そういうこともあるかあ,マアそんなところです。風の力を強調する場合は根拠をぜひ示していただきたいですね。

結局,本に書いてあったとか,人から聞いたとか,そんな次元での思い込みには問題がありますね。自分がもしかしてそれを信じ,まちがった情報かもしれない知識を流布する手助けをするかもしれないのですから。いわゆる鵜呑みっていうのです。

生きものは多様な遺伝子を残そうとします。同じ遺伝子を持つことは,環境などの外的要因で種として全滅する恐れがあります。それを避けるためにも,それぞれの植物は受粉にはできれば他家受粉を期待しているはず。それができないときのために,自家受粉という保険に頼っているのです。ともかくまず他家受粉ありき,とわたしは信じています。

さて,セツブンソウの真相は?