元ラーメン屋店主のツイート集

ラーメン屋を10年経営し、今は閉店し、介護士をしています。

#16:イングヴェイ・マルムスティーン(Yngwie J. Malmsteen)

2008年04月23日 | 魂のギタリスト聖典
ハードロックのテクニック至上主義時代は
「イングヴェイ・マルムスティーン」から始まり
ました。

「イングヴェイ・マルムスティーン」イコール
速弾きです。

僕もそんな速弾きに魅了された一人でライブには
7回行っています。

「ネオ・クラシック・ロック」の基盤は「リッチー・
ブラックモア」が作り、よりエキサイトに速く演奏
する事で「ネオクラシック・ヘヴィメタル」という
ジャンルを確立しました。

僕は「ライブ・イン・レニングラード」のビデオを見て
衝撃を受けました。縦横無心にステージ上で暴れまくり
アンプをステージから客席に投げたり、ギターを破壊
したりショッキングでした。中学時代の僕には信じられ
ない、人間業とは思えぬ、ネック上を上下し、小刻みに
動き回る指使いに痺れました。何よりも、楽曲の美しさ
とカッコ良さが相まって、一気にファンに成り、全アルバム
を揃えました。

最近の「イングヴェイ・マルムスティーン」
は音楽性的に中期の路線に戻りましたが、よほどのファン
じゃ無い限りは「トリロジー」と「セブンス・サイン」を
聴けば「イングヴェイ・マルムスティーン」を十分理解
出来ます。「マンネリ」や「使い回し」と言われるように
「イングヴェイ・マルムスティーン」のインプロヴァイズ
プレーには同じフレーズや展開がいくつもあります。
スコア(楽譜)で見比べたら、寸分変わりないギターソロ
に思わず笑ってしまいました。
ファンは「今回のアルバムも速弾きしているな~」と、
「イングヴェイ・マルムスティーン」が速く弾けば喜ぶ
人達でしょうから、客のニーズには応えているんでしょうね。

80年代の「イングヴェイ・マルムスティーン」の
インタビューを読むと「俺はロックなんか聴かない。
ロックに影響を受けた事など一度も無い。バッハ、
ベートーベン、チャイコフスキー、ドボルザーク、
パガニーニ、ビバルディとかが俺のルーツだ」
とか言っていました。

でも、「イングヴェイ・マルムスティーン」も少し丸く
なってくると(体系的にも)、やたらとロックルーツ
を語るように成り「ディープ・パープル」「レインボー」
「ジミ・ヘンドリックス」からの影響は特に大きかった
ようで毎回、あらゆる雑誌で語るように成りました。
他「ジェネシス」「スコーピオンズ」「UK」「カンサス」
「クイーン」等からも多大な影響を受けたようで、
原曲への敬意が全く感じられない「インスピレーション」という
カバーアルバムも出しました。

姉が「ジェネシス」のファンで、画家である母がクラシックの
レコードを大量に収集した事が「イングヴェイ・マルムスティーン」
の音楽性へと繋がりました。

「マイク・ヴァーニー」に誘われタバコとストラトキャクターのみで
渡米し「スティーラー」でデビューした「イングヴェイ・マルムスティーン」
の元には「KISS]「UFO」からも加入の誘いがあったが
「レインボー」ファンの「イングヴェイ・マルムスティーン」は
「グラハム・ボネット」の新バンド「アルカトラス」に加入し
全曲の作曲も担当した。今思うと「KISS]に加入し、悪魔メークの
「イングヴェイ・マルムスティーン」も見てみたかったです。

ソロ・プロジェクトの「ライジング・フォース」(バンド名義ですが、
完全イングヴェイ独裁バンド)に成ってからは水を得た魚のように
ネオ・クラシック路線を貫きました。色んなテクニックは持っている
ものの、どの曲でもピロピロピロっと弾きまくる事にファンは徐々に
飽きてきて、ファンの事はそっちのけでメンバーをやたらと変えまく
りクビ切り魔というレッテルまで貼られても、今だに相変わらず
「俺以外は皆クズ。俺のステージで1度でもミスったら、次はない。
俺のファンは俺がギターを弾き、俺が曲を書けばレコードを買う。
俺はドラムも、キーボードも、ベースも、ボーカルも出来る。だから
俺のメンバーは俺が指示した事を忠実にやればいい。1音でも変えた
り、自己表現したい奴はいらない」
と言い、ソロになった84年から現在まで43回のメンバー変えを
しました。

言動が、破天荒で、ワガママで、自己中心的で、気分屋ゆえ、インタビュー
記事は一番面白い人です。

「ジミーペイジが3大ギタリストって下手なジョークだぜ」

「ゲイリームーアがマシンガンピッキングだって。玩具のピストルの
間違いじゃないか」

「インペリテリもストラトヴァリウスも俺をソックリに真似た泥棒」

「バッハの死後、最も優れた作曲家は俺だ」

「グラハム・ボネットには何の才能も無い、俺の踏み台」

「ヌーノ・ベッテンコートは過大評価をされている真似っ子」

「世界中で最も最低な奴はブルース・ディッキンソンだ」

「エクソダスは酷い。まるで才能ない」

「スレイヤーは笑わせるバンドか」

「俺を嫌っている連中は、俺に才能があって、成功して、金持ちで、
有名で、顔が良くて、頭が良いのを僻んでいる連中だ」

「俺の音楽が分からない奴等はクズ」

ここまで行くと、もはや暴言、珍言では無く、笑いネタみたい
な事を、真剣に言っているから凄いです。

こんな滅茶苦茶な言動と、ずっと一貫性のピロピロ弾きに
茶目っ気を感じますね。そんな「王者」も最近は禁煙・禁酒を
しているようです。あんなに酒を飲み、ライブでもタバコ吸い
まくっていた「イングヴェイ・マルムスティーン」も健康を
気にする年なんですね。

「イングヴェイ・マルムスティーン」伝説も色々語りたい
所ですが、この人は書く事が多すぎてラチが開かないので
ここらで終わります。

欠点の多さも含めて「イングヴェイ・マルムスティーン」ファン
です。

◆イングヴェイ・マルムスティーンのオススメCD
セブンス・サイン

#15:ポール・ギルバート(Paul Gilbert)

2008年04月23日 | 魂のギタリスト聖典
元「ミスター・ビッグ」のギタリスト「ポール・ギルバート」
と言った方が分かりやすいでしょうが、「ポール・ギルバート」
を語る上で「ミスター・ビッグ」のみでは不十分すぎます。

「マイケル・シェンカー」や「エディ・ヴァン・ヘイレン」
が火種を起こし、「イングヴェィ・マルムスティーン」
「スティーヴ・ヴァイ」「マイケル・アンジェロ」
「クリス・インペリテリ」らが巻き起こした、ウルトラC級
ギターテクニック時代・・・、すなわちギター戦国時代に
華々しくデビューしたのが「ポール・ギルバート」です。

「イングヴェイ・マルムスティーン」「トニー・マカパイン」
「ヴィニー・ムーア」など超絶速弾きギタリストを次々と世に
出した音楽プロデューサーの「マイク・ヴァーニー」が
「ポール・ギルバート」を拾い上げました。

ギタースクールGITに入学直後「彼に教える事は何も無い。
本校にいるどの講師よりも上手い」と高評価で、そのまま
GITの講師に成る。

「レーサーX」では「イングヴェイの1.5倍の速弾き」と
時代背景を伺える音楽路線で売り出した。

ギター戦国時代も終わりに差し掛かった頃「デイブ・リー・ロス・
バンド」で大スターだった「ビリー・シーン」から「フリーや
バッド・カンパニーのようなブルース系ロックバンドを組まないか?」
と誘われ、ベテランの域に達していたセッションドラマーの
「パット・トーピー」、プロで歌っていた「エリック・マーティン」
で結成時から大物バンドであった「ミスター・ビッグ」が始動する。

「ミスター・ビッグ」にも弾きまくる楽曲もありますが、あくまで
楽曲重視のバンドアンサンブルをわきまえたギタースタイルに成り
ました。

「ミスター・ビッグ」は全米1位の曲を出しながらも、アメリカ人の
心は掴めないものの日本では大ブレークし、日本におけるハードロック
バンドでは「エアロスミス」「ボン・ジョヴィ」と肩を並べるほど
の人気を得ました。

僕達世代は、高校時代とかクラスに5,6人は「ポール・ギルバート」
信者がいました。僕達世代(今年30歳)では、ダントツ人気の
ギター・ヒーローで「布袋寅泰」「松本隆弘」「hide」と一緒
ぐらいの人気でした。

「ポール・ギルバート」は、1万円以下のギターなども数多く収集して
いて、いわゆるガラクタギターの愛好者です。

「アイバニーズ」のシグネチャーモデルでの打ち合わせでも、デザインや
色には積極的に発注を出したが、ネックの仕様や、材質、ピックアップ、
機能などは全てメーカー任せにしたらしい。「ポール・ギルバート」は
ギターの見た目重視で構造などには無頓着なようです。

ソロに成ると、歌を歌うようになり、ドラムも披露し、待望のインストゥ
ルメンタルアルバムも2枚出し、やりたい事を何でもするように成りま
した。「レーサーX」「ミスター・ビッグ」は、多彩な「ポール・ギルバート」
には窮屈すぎました。今は、ソロで何でもアリです。ショッキングピンク
のスーツで、歌いながらギターを弾き出した時は「どうしちゃったんだ?」
と思いましたが、まだまだ今後何が飛び出すか楽しみです。

◆レーサーXのオススメCD
スーパーヒーローズ

◆ミスター・ビッグのオススメCD
ヘイ・マン

◆ポール・ギルバートのオススメCD
バーニング・オルガン