細太郎です。
謹賀新年です、遅くなってすいませんでした。
正月早々、はるみと大喧嘩して餅を顔面に貼り付けられるという、命あぶねえできごとがあったので、しばらく無視しています。
喧嘩の理由?それは…。
ふたりでシャカイの散歩をしていたら、偶然懐かしい同級生と再会してしまったからです、はい。ここまでくると、長い読者の方は想像つきますよね?
はい、それはりょうこちゃんです。
ぼくに向かってにこやかに笑いかけ、
「細太郎君久しぶり、中学校以来だっけ?元気そうでよかった…え~と、そちらの方はご親戚の方?」
とはるみにはにこりともせずに、そう言ったんだ。
はるみも同級生だったろうに。こんな性格の悪いバカ女を忘れるやつがいるか。という以前に、りょうこちゃんの言い方も厭味ったらしかった。
コンナオンナダッタカナ?
「はあ?あんたこそ誰よって、あんた、鈴木涼子じゃない」
はるみはぼくとりょうこちゃんのことは知りません…って、なんで小学校の時の口調に戻ってんだ、オレ。
「あらあ、そういえばその意地悪い口調、中野治美さんじゃありません?」
うげ、なんだこいつら。というか、なんだよ、りょうこちゃんの言葉遣い、昔と全然違う。そういえば、どことなくキツイ顔つきになっている。
何があったんだ、中学校の時から…。
「あらあ、優等生の鈴木さんとは思えないお言葉ですこと」
オンナ同士はフンと顔を背け、はるみはオレを帰ろうと促した。
「あ、じゃ、また」
俺はりょうこちゃんの去って行く姿をいつまでも目で追っていた。
で、それをみていたはるみに餅をぶつけられたというわけだ。
「私、知っているんだからね、中学校の時にちょっと関わってたって」
「へ?」
「一高にいってきょうすけ君とあの子付き合ってたって。細太郎君、フラれたんでしょ?」
「ああ」
嫌な思い出を…。で、何を誤解したんだか、餅を、というわけだ。
「でも、今は全く関係ないだろ」
「何よ、いつまでも見てたくせに」
う~、めんどくせ~。何でもねえっていうのに。
「あいつとは関係ないだろ」
「あいつ?あいつですってええええええ」
なんだよ~、どうでもいいじゃねえかあ。
「許さないかんね」
めんどくせえええええ。
こたつから顔を出したシャカイが、帰っていくはるみを追いかけドアの向こうに消えてしまうと、オレにむかって吠えやがった。
「なんでえ」
くどいようだが、めんどくせええええええ。