細太郎です。
おれの小学校時代からの友人の一人たかひろ。現在つくばった大学の院に進学して、とりあえず経済学の研究をしている、と思うwww
昔から女の子が大好きだったが、今はフリーで遊びまわっている。特定の彼女は、当分いらないそうだ。それゆえか、女の子の情報はたっぷり持っている。
「ああ、鈴木涼子ね?おまえが中学時代にちょっと恋人未満だったやつ」
孝太郎先輩所有のアパートには、俺たちの仲間うち俺とたかのりとたかひろがくらしている。しんいちはつくばった市内に住んでいるし、みきおはバイクか車で美都市内から通学していた。
今日は、そのたかひろの部屋で餅を焼いて食べていた。
「うるせえな、もう昔のことだ」
「おまえはモテる割には鈍感だし、りょうこみたいな優等生にフラれ、野茂に片思いされても気づかず、結局選んだ相手は性悪はるみだ。バレンタインのチョコ大量に貰っても、誰からもらったのかなんてわかってないだろ」
「うん」
正直にいうと、そうだ。大量のチョコの送り主なんて考えたこともない。
「破れ鍋に綴蓋、性悪同士がくっついただけじゃんか」
みきおは、とろけるチーズとのりを巻いた餅をほおばりながら相槌をうった。
「まあ、当たっているだけに反論もできない」
俺もチーズ巻餅をほおばる。
「鈴木涼子な、あいつ、きょうすけと学生結婚したらしいぞ」
「へ?」
「できちゃったらしい」
「あいつ子どもいんの?」
「いるけど、トメコトメに嫁いびりされて性格が一変したらしい。優しいお母さんのイメージないらしいぞ、教育ママっぽいし」
「ひえええ」
俺たちは、明らかに小学校とは違う、もう大人の世界の話に餅を食う手を止める。
「生々しいな。だから、小学校時代とは違って逆に性格がまともになったはるみに嫉妬してんだろ」
「は?コイツと付き合ったからじゃないの?」
としんいちはきな粉餅をのばしながら、ちろっと俺をみた。
「そんなわけあるか。羨ましいんだろ」
「ちげーよ、ハタチで結婚して嫁いびりされて自由がない。だけど、性悪はるみが自分を好きだった男と付き合っている、面白くないだろうよ」
う~ん、全員、なんとなく納得したようなしないような、そんな気になった。
というか、たかひろ、何でそんな情報しっているんだ?
「情報を得ることは、研究の第一条件」
なんだそれ。
「おまえ、孝太郎先輩の会社にでも入れてもらえば?」
「うん、誘われている」
ほんと、女好きだけどおぼれてないところが、たかひろのいいところだ。
「それな」
しんいちは、グローブみたい手で餅を丸めながら、うなづいている。
おまええ~、餅で遊ぶなよ~。