いのちが誕生するということ

めずらしくプライベートネタです。

　8月20日。仕事を終えて、すぐに帰宅しました。
　娘から「陣痛」の連絡。
　病院へ。（小牧のＭ産婦人科）

　痛がる娘の腰をさすりながら、病室で一晩を過ごしました。

　朝方には産まれるのかなと思いきや、早朝になぜか微弱陣痛となってしまいました。診察で、「陣痛促進剤を使いましょう」ということになり、その同意書を前にちょっと3人でためらっていました。

　おなかのＢＡＢＹがそれを察したのか、２０分位して、急に強い陣痛がおきました。そして、そのまま、陣痛室へ。

　分娩にも立ち会うことが出来ました。

　この娘が、自分の子宮からこの世にうまれ出てきたのは、ついこの間のような気がしていたのに、その娘がこうして、分娩台であたらしいいのちを産み出そうとしている。とても感慨深いものがありました。

　さて、実際に分娩に立ち会ってみると、自分が出産するときは、まさにアソシエイトなんですよね。出産という行為にどっぷりと漬かっているので、まさに分娩をするということに没頭している。意識というかからだというか自分全体が。

　だから、全体が見えないのですが（当然）　今回は、実に冷静にいろいろなものを見ることが出来ました。
　医師（女医さん）、助産婦の励まし、声のかけ方、娘の表情、お産の進行具合、陣痛の波・・・。

　これまで、小学校勤務時代から、たくさんの子どもたちに「いのちと性」を伝えてきました。

自分が出産を経験し、いのちの重さを実感し、自分の目の前の児童生徒に「あなたには存在するだけで価値がある、すばらしい可能性がある」ということをいのちの学習を通してつたえてきました。

　そんな私が、今まさに、眼の前で自分の娘が新しい命を生み出すという場に立ち会えたことは、なんともいえない感慨深いものがありました。

　私は、うちわで扇ぎながら、娘に声をかけました。

　「あと、ひといきいきめば、赤ちゃん出てくるよ。赤ちゃんもがんばっているからお母さんもがんばろう」の医師の励ましに、最後のいきみ。

　産声とともに、かわいい男の子が、産まれました。
　
　神聖なるいのち。　70兆分の1の確率。　握り締めた小さな手。胎脂にまみれた赤ちゃんが、産湯に使ってきれいになります。しわしわのお猿さんが、徐々に人間らしくなっていきます。
　
　そんな光景を見ながら、私は、自分が子どもたちに伝えてきたことばが聞こえてきました。

　「うまれたばかりの赤ちゃんは、手を握っています。それは、右手に存在意義　左手に１００％の可能性です。うまれてから人間は、誕生時に生まれたそれを探し当てるために、生きていくのです。」

　生まれたてのいのち。

　この子は、どんな可能性と存在意義を探していくのでしょう？