(一社)ハートマッスルトレーニングジム代表
主体的人生を構築する人材育成トレーナー
桑原朱美です。
今日のテーマは
「【実践事例】摂食障害の児童、脱走常習生徒への対応」です。
HMレジリエンスボードゲームシリーズを活用した事例が
続々と届いていています。
今回は「福笑い型メタ認知教材/き・せ・かお」を活用した
小学校、中学校の事例です。
『き・せ・かお』すごいです。
6年生の摂食障害の子が久しぶりに登校しました。
3年近く体重が微増で、夏休みは3年生の時の体重になっていました。
ことばにするのが難しい子で、
質問カードではなかなか引き出すことができなかったのですが、
『き・せ・かお』なら手が伸びて、
「自分の今の状態を作ってみたら?」と誘ったところ、
すごく上手に作ってくれました。
顔の周りに花やびっくり、はてなマーク、怒ってる
などの感情を表現するパーツをたくさん並べることができたので、
一つひとつについて、
これはどんな時?とか、誰がかな?とか、
いつそう思ったの?などの質問をしていくと、いろいろ答えてくれました。
そして、こんなにいっぱいだったら、頭の中が混乱している
ということも伝わってきました。
時間切れでまだ聞ききれてないので、続きはまたね!
といってその日は見送りました。
ことばではない、けれど相手に伝えることができる強力なツールですね。
そして、遊び感覚なところもうれしいポイントだと感じました。
すごろくも、その児童とやってみようと購入したので
またチャンスが来たらやってみようと思います
自分が思うようにならないと、
すぐに教室(時に学校)を飛び出してしまう中学生女子の事例です。
脱走が頻繁で、先生が休み時間もついて回っている状態。
ある日、この生徒を私(養護教諭)が発見し、追いかけました。
「(先生に追われることで)ストーカー被害に遭っている」「これは教師のいじめだ」「もう早退する」「放っといて」
など文句が続きました。
ようやく保健室に連れてきて、『き・せ・かお』に誘いました
あれだけ弁が立ち、担任が具合が悪くなるほど騒ぎたてる生徒ですが、
『き・せ・かお』で「今の気分は?」で、作った顔は‥泣いていました。
攻撃的な口調で文句ばかり言うので、誰もが怒りや恨みを想像していました。
私(養護教諭)も、ああ、この生徒は泣きたいくらい悲しかったんだ!と気づきました。
そこから憑き物がとれたみたいに素直になり、
「じゃあ、どんな顔で教室に行く?」と聞くと、ハートのパーツを探して顔を作りました。
生徒の言葉や態度、表情には現れない本当の気持ちの一端に触れることができました。
他の職員とも共有し、大人の思い込みを取り払うことができました。
少し理解が深まり、今後、接し方も少し変わるのではないかと感じています。
私自身が学んだなぁとしみじみしています。
事例を送ってくださった先生方、ありがとうございました。
大人は、表面的な行動につい振り回されてしまいがちですが、
子どもたちは、自分の感情の表現のしかたに、困っているのかもしれません。
どんな気持ち?と聞いてあげても、
言語でうまく表現できない子どもはたくさんいます。
言語と言語のやりとりは空中戦、ということは、よく言われますね。
相手が発した言葉や表現のしかたによっては
大人はそこに反応してしまい、勝手な解釈も生まれがちです。
しかし、自分の「顔」を表現することで
「視覚化」し「共有」することで手がかりが生まれます。
大切なのは、「引き出してやろう」「気づかせてやろう」
という大人の側の都合や傲慢な態度ではなく、子どもの内面を理解させてもらうというそのあり方。
「き・せ・かお」は、内面を表現するツールです。
解決が目的ではなく、相談者の内面を共有し、理解するためのツールです。
相手がそれによって、気づくもよし、気づかないもよし。
それでも、自分の気持ちを「顔」で視覚化することで、ことばにならなくても
気づくことが多々あります。
手柄を立てたいと考えたり、結果を出さなくてはと考えると、アプローチの方向性を間違えます。
大切なところへの観察がおろそかになります。
解決を急いだり、早く教室に戻そうと焦る必要はありません。
子どもたちが自分の気持ちを表現するきっかけを作ってあげる。
そんな大切な場面で、ご活用いただければと思います。
「き・せ・かお」の詳細
それでは、今日も
素敵な1日を!
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2022年11月22日号で紹介した内容に加筆修正した内容です。
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