お弁当

「いつも焼肉レストランじゃお金がもったいないでしょ。お弁当をもっていくから食べてね」なんて言葉に乗るとは私もまだまだくちばしが黄色い。

お弁当といっても幕の内とか松花堂とかいうものではなく、おかずはトシーノという甘いベーコン、ロンガニーサという黒こげになったソーセージ、オクラとジャガイモとバゴオンをまぜて炒めたものものである。
それをごはんと一緒に無理やり口に入れた。

「オレはいくら給料もらってんだ・・ご飯くらい好きなものを食べよう・・」
少しだけ塩っぱかったのは涙の味だったのかもしれない。

情けなさと後悔、それに週末ということもあって痛飲してしまった。
「明日何してる？」
「マンションを探しに行くつもりだ」
「私も一緒に行く」
「ダメだ。」
「だって私がごはんつくるでしょ・・」
「めちゃくちゃ遠いところに引っ越そうかなぁ・・・」