それに9月の中ごろには帰ってしまうし、予定が少し早まっただけだと自分に言い聞かせた。
・・・やっぱり最後まで良い人でいることは難しい・・・
だからと言ってJ40ってのも・・・・これも来月の中国出張を理由にキメラの翼を空に放り投げるのだ。
「大丈夫だ。きっと上手くいく。」自分に強く言い聞かせた。
「なぜ電話をしない!いつまでほうっておくつもりだ?」
「へっ?」
片をつけたはずのものがゾンビのように蘇ってきた!
「うぅあぁあぁ~」
今週のデートも食事もすべてが吹き飛んだ。
「ここに居たら殺られる!」
頭の中を何台もの救急車がドップラー効果を起こしながら走りすぎていった気がした。
急げ!急ぐんだ!どこでもいい!逃げるんだぁ!
私は財布と携帯を助手席に放り投げ車のイグニッションを回した・・・・
私のパソコンには今までお付き合いしたババエの写真が保存されている。
(騙されたババエの手配書とも言う)
会社のババエ(もちろん日本人)がそれらを眺めて人気投票をすると、なんとセブでセッションを切ったAちゃんが1番人気!続いて浜松でセッションを切ったLちゃんが2番人気!
ショック!!
私の青春を返してくれ!!ついでにお金も!!!
帰宅後、しらばっくれてフィリピンに電話しようかと思った矢先、Jちゃんから電話がなる。
「あいたいよぉ~キスするぅ~ハグするぅ」
そうだ!ババエは顔じゃない。ましてや写真うつりなんかじゃない。
私の選択は間違ってなんかいない。
ただ選択に至る過程が悪すぎるのだ。
Jちゃんがべそをかきながら電話をしてくる。
「どうしたの?」私はいつだってやさしい。
「3かげつだけ。えんちょうむずかしいだって」
たぶんビザがツーリストでタレントとして昔みたいにフルに6ヶ月働けないようだ。
かわいそうなJちゃん・・・でも、後一ヶ月その間にいろいろなものを食べよう!いろいろなところへ出かけよう!
べそをかくのは私に新しい恋人が出来てからだ。そうではなく、
だまされたことに気づいた私がべそをかく可能性も大きい!
ディズニーランドで豪遊することを決意したトノは倹約と暑さのせいもあって平日から素麺を茹でていた。お湯を切り、氷を取ろうとかがんだ瞬間、こともあろうに素麺の上にシッカロールをぶちまけた。・・・どうか考えてもスパゲッティじゃないよなぁ・・・パルメジャーノレジャーノのように素麺に降りかかった粉を呆然と眺めていると本日9回目の電話がなった。
「もしもし~!マハルコ、ごはんたびた?」
「これからだよ」
「はやくたびなさいね」
「無理だから!!」